高卒の23歳は、卒業から5年程度の経歴がありますので大卒よりプラスの面もあります。
しかし、仕事を辞めたいというだけで安易に決断してしまうと、うまくいかなかったときに苦労する可能性もあるので、ポイントをしっかり抑えて転職に臨みましょう。
23歳高卒の転職事情
高卒は大卒と比べて不利だと言われていますが、企業が高卒を採用するメリットもないわけではありません。
まずは、高卒の転職事情を知るところから見ていきましょう。
転職する人が多い
高卒の人の3年以内の離職率は40.9%もあり、数年で辞めてしまう人が多いことが分かります。
大卒の3年離職率が3割程度ということから考えると、より多くの人が早い段階で離職するということになります。
反対に考えると23歳ではじめての転職の場合は、3年の壁を乗り越えた6割ということになりますので、決して早すぎるとは言えないことが分かります。
大卒と比べて転職は不利
大卒と比べるとどうしても不利になってしまうのが高卒の人の悩みどころだと思います。
大卒と比べても優秀な人は沢山いますが、一般的にはまだまだ大卒有利なのが現実です。
高卒が不利になる直接的な理由は「学歴不問の求人が少ない」ことです。
求人の約2/3は大卒以上という条件があり、応募の段階で高卒は省かれてしまいます。
また、学歴不問の求人も大卒の人が応募してくれば、大卒がライバルになります。
同じ23歳なら高卒のほうが経験がある
先に大卒より不利な面を挙げましたが、企業が高卒を採用するメリットも少なからずあります。
企業は、大卒が欲しいのではなく、「実力があり長く勤めてもらえる人材が欲しい」というのが本音です。
大卒のほうが、「望む人材の割合が多い」と考えているだけであって、実際に能力が高ければ、「高卒だから採用しない」という企業は少ないです。
23歳であれば、大卒は1年程度の社会人経験しかありませんから、高卒で頑張ってきた23歳の人とは経験もスキルも差があります。
5年間社会人として経験してきたアドバンテージを活かして、大卒で経歴の浅い人材より魅力的なアピールをすることは十分可能なはずです。
同じようなアピールをしていれば、大卒のほうが有利になるのですから、利点はしっかり活かせるように準備しましょう。
給与は高卒のほうが安い
日本では高卒の給与体系と大卒の給与体系が違う企業が多いです。
そこだけ見れば、高卒が不利だと言ってるように思えるかもしれませんが、採用する企業からすれば、同じ23歳なのにより安い給与で雇用できる点はメリットです。
同じような評価であれば、高卒を雇用したい企業も少なくないということです。
2回目の転職でもなんとかなりやすい
大卒で23歳の場合、卒業後2年未満で2回目の転職となれば、良い印象はありません。
高卒なら23歳でも5~6年の経歴があるので、まだなんとかなりやすいです。
ただし、転職回数は多ければ多いほど不利になるのが一般的なので、安易に転職を決断せず、「良い転職先が見つかれば」というスタンスで仕事探しをすることをおすすめします。
資格は無理に取らなくていい
転職時に資格の有無を気にする人もいますが、士業のように資格が必要な仕事以外なら、無理に取得することはありません。
企業は資格の有無で採用を決めたりはしません。資格より実務経験やスキル・実績のほうが確実な判断材料になるからです。
特に、23歳なら人物面重視の採用基準になる場合が多いので、資格を持っていることで大きなプラスになることも、無いからマイナスになることも少ないです。
ただ、何も無いと自信がないし、アピール材料も思い浮かばないというような場合は、資格取得することでアピールしやすくなるというメリットはあります。
23歳高卒の転職で注意したいポイント
23歳高卒の転職で注意したいポイントをみていきましょう。
情報収集
求人票に記載されている条件や仕事内容だけで安易に判断してしまうと、実際に働いてみて思っていたのと違うというミスマッチが起こりやすくなります。
そうなれば、「前のほうがまだましだった」「また転職したい」と感じる人も少なくないはずです。
ミスマッチの多くは、情報収集が足りないことから起こりますので、転職先を選定する際には、業界や企業のことをしっかりと下調べしておくことが大切です。
ただ、自力での情報収集は限界もありますので、転職エージェント
転職エージェントを活用する
高卒の人は、転職エージェントを利用を検討しないという人も多いですが、必ず利用するようにしましょう。
転職エージェントでは下記のようなサービスを無料で受けられます。
- 経歴や条件に合った求人紹介
- 書類選考対策
- 面接スケジュールの調整
- 面接対策
- 給与・待遇交渉
- 転職に関する相談
どうすれば良い転職ができるか分からないという人も少なくないと思いますが、転職エージェントでは、不安なことや分からないことを相談できます。
また、選考対策は企業の情報を元に行うので的確なアピールをしやすくなります。
求人数は転職サイト「リクナビNEXT」が約1万件なのに対し、リクルートエージェントは約23万件、dodaは約15万件、その他の大手エージェントも3万件程度は求人を保有しています。
可能性を広げるためにも、積極的に活用していきましょう。
非公開求人が多数ある
転職先を探す場合、ハローワークや転職サイトという選択肢もありますが、良質な求人案件の多くは、転職エージェントが保有しています。
高卒だと断られる?
転職エージェントは、高卒でも利用できますが、紹介できる求人が無いと断られるケースもあります。
しかし、「断わられるかも」というネガティブな理由で登録すらしないのは、可能性を狭めるだけのナンセンスな行為でもあります。
まず、下記のような大手の転職エージェントに複数登録し、仮に断られてしまうような場合は、経歴の浅い若手向きのエージェントの利用を検討しましょう。
おすすめの大手転職エージェント
- 『リクルートエージェント
』・・・最大手で求人数が圧倒的(20万件以上)
- 『
doda』・・・リクルートに次ぐ求人数で利用者の満足度も高い
- 『
マイナビエージェント』・・・若手の支持が厚い。サポートが丁寧でホワイト求人が多い。
経歴が浅く上記で断られた場合は下記に登録
未経験職種に挑戦するなら
未経験の仕事に挑戦したいというのであれば、「他にしたいことがある」というハッキリしたビジョンがある人もいると思います。
やりたいことがあるのなら、それも良いですが、「今の仕事は嫌」と考えているだけなら、いくつかポイントがあります。
- 転職しやすい仕事を選ぶ
- 給与が高くなる業界・企業を選ぶ
転職しやすい仕事を選ぶ
転職しやすい仕事は、高卒が理由で転職しづらくなりづらい仕事です。
人材不足になっている業種や職種がメインになりますが、採用されやすいので頭に入れておくと良いでしょう。
営業職、販売職、サービス業(飲食・宿泊等)、介護職、運輸業界などが、特に人材不足と言われています。
ただし、人手不足の理由が「離職率が高い」「給与が安い」「休日が少ない」「残業が多い」など、ネガティブな理由なことも少なくありません。
ただし、皆が避けがちな職種で実績が積めれば、優秀な人も少ないので評価されやすく、将来的に良い選択になる可能性もあります。
給与が高くなる業界や企業を選ぶ
高い給与を欲しいと考える場合は、実力主義の企業を選ぶというのも1つの選択肢です。
実力主義の給与体系がある企業では、ITエンジニアや営業職などは、高卒でもスキルがあれば実績を積めて、給与が高くなるケースも少なくありません。
現状、能力はあるのに高卒だからという理由でくすぶっていると感じるなら、チャレンジを検討する価値はあるでしょう。
ただし、当然ながらスキルや実績が伴わない場合、苦労することもありますので慎重に決断することも忘れずに。
