30代で未経験職種への転職に成功するためのポイント
ここでは、30代で未経験職種へ転職を成功させるために知っておくべきポイントを解説していきます。
30代の転職事情
人物面の評価で採用が決まることの多かった20代に比べ、30代になると即戦力として期待されることが多くなります。
企業が30代に求めるのは下記の4点です。
- 高い専門性
- 経験とスキル
- 実績
- マネジメント能力
30代前半よりも後半では、要求されるレベルが高くなっていきますが、これらの要素は30代に共通して企業から期待される要素です。
未経験職種への転職は、個々に挙げた企業が求める要素をアピールしづらいのですから、それなりの厳しさがあります。
年齢が若ければ若いほど、柔軟性や吸収力、将来性が見込めるので、未経験職種にチャレンジするなら少しでも若いほうが有利だというのは間違いありません。
やりたい仕事があるのに、我慢を続けて今の会社に残り続けるより、早いうちに新しい仕事にチャレンジしていったほうが良いとも言えます。
簡単ではないと覚悟しておく
「リクナビNEXT」の30代前半の転職者を対象にしたアンケート調査では、約6割の転職経験者が、未経験職種への転職について「かなり難しい」「やや難しい」という回答をしています。
同じアンケートでは、30代前半では、6割が3ヶ月以内に転職を決めたという調査結果がありますが、未経験職種の場合、平均より活動期間が長くなる場合も想定しておかなくてはいけません。
また、30代後半になれば、なおさら厳しい状況になることは知っておく必要があります。
しかし、転職先が無いような年代でもありませんので、「未経験職種への転職は難しい」という認識を持った上で、しっかり準備していけば、良い転職ができる可能性も十分あります。
経験を活かせることをアピールする
同業同職種への転職と同じ感覚で転職を考えるのは危険ですが、現職の経験や知識・スキルのなどの中から転職先で活かせる部分がないか整理しておき、面接等でしっかりアピールできるように準備していけば良い転職ができる可能性も広げていくことができます。
職種自体が未経験でも、例えば販売職から営業職への転職のように、顧客を相手にしてコミュニケーションを必要とする職種であれば関連性はあります。
上記は一例に過ぎませんが、今まで培ってきた経験の中から、応募職種で活かせる経験や能力、特徴などがないかしっかり掘り下げておけば、「未経験ですが早く仕事を覚えて頑張ります」というしかないような事態を避けられます。
在職中に転職活動を行う
仕事をしながら転職活動を行えば、収入が途絶えることがなく、多少期間が長くなっても、経済的に困るということがなくなります。
また、現職と比較しながら応募先を吟味できるので、今の仕事の良さに気付く場合もありますし、転職しないという決断をするにしても、納得のいく答えを出しやすくなります。
また、うまくいかなかった場合の保険と言う意味でも、安易に退職しないでおくと安心して転職活動を進めていくことができます。
転職エージェントを利用する
在職しながらの転職は負担が大きいですが、転職エージェントを利用すれば、スムーズに活動を進めて行くことができます。
転職エージェントは求人の紹介から、面接スケジュールの調整・職務経歴書・履歴書などの書類対策、模擬面接などの面接対策、給与・待遇交渉など、自力で行うのは大変な転職活動をサポートしてくれます。
また、企業の依頼で求職者を紹介するサービスのため、企業がどのような人材を欲しがっているのか、詳細な情報を把握していますので、内定率を高めることができます。
職場の労働環境などの内部情報も聞くことができるので、転職後に「思っていたのと違う」というミスマッチのリスクも減らすことができる点でも利用価値は高いです。
未経験職種の転職を目指すなら、サポート力のある転職エージェント、求人数の多い転職エージェントの利用が望ましいです。
転職エージェントのおすすめは下記の通りです。
type転職エージェント・・・首都圏のみだが、サポートの手厚さはトップクラス。首都圏ならおすすめ
マイナビエージェント・・・サポート力が高くホワイト求人紹介に定評がある。大手・中小の独自案件も多数保有。
doda・・・常時10万件以上の圧倒的な求人数の転職エージェント。サポート力も定評がある。
- リクルートエージェント
・・・NO.1の求人数や実績。良質な非公開求人を多く保有している。
30代の女性の場合は男性と違う面も
ここまで解説したのは男女ともに当てはまることですが、ここでは女性に注意して欲しいポイントを解説しておきます。
30代女性は、結婚・出産などでライフスタイルが大きく変化するため、働き方についても大きく変化する人が多いです。
既婚で出産前の女性は、すぐに退職してしまったり、産休や育休に入られる可能性があるため、企業は採用しづらい面があります。
同様に小さな子供がいる女性の場合も仕事に影響が出やすいため、簡単に採用しづらいです。
出産の予定があったり、子育て中の場合は、無理に転職することを考える前に、今の職場で働き方を変えることができないかなど、相談してみるところから始めましょう。
30代女性の未経験職種・業種への転職は、下記のページも参考にしてください。
30代で未経験でも転職しやすい職種は?
職種 未経験歓迎求人 職種全体の求人 未経験歓迎の割合
教育・保育・公務員・農林水産・その他 335 385 87%
技能工・設備・交通・運輸 925 1072 86.3%
サービス・販売・外食 911 1064 85.6%
医療・福祉・介護 111 149 74.5%
営業 1820 2579 70.5%
事務・企画 1125 1672 67.3%
クリエイティブ(メディア・アパレル・デザイン) 277 424 65.3%
専門職(コンサルタント・士業・金融・不動産) 418 656 63.7%
企画・マーケティング・経営・管理職 413 728 56.7%
素材・化学・食品・医薬品技術職 136 264 51.5%
建築・土木技術職 484 974 49.7%
エンジニア(機械・電気・電子・半導体・制御) 475 1187 40%
Web・インターネット・ゲーム 102 415 24.6%
ITエンジニア(システム開発・SE・インフラ) 319 1449 22%
上記の表は、転職サイト「リクナビNEXT」で職種別に未経験歓迎求人を調べたものです。(調査日2018年6月25日)
職種の分類もリクナビNEXTの分類になっています。未経験でも転職しやすい職種の傾向を掴む参考になればと思いまとめてみました。
注意が必要なのは、あくまで「リクナビNEXTでの結果」なので、他の転職サイトや転職エージェントを利用する場合に、必ずしも同様の調査結果になるわけじゃありません。
また、転職サイトは未経験歓迎求人が多いですが、転職エージェントよりも求人の質が低いです。転職のしやすさだけではなく、希望条件などから総合的に判断していくようにしましょう。
営業職
営業職は男女ともに、未経験でも転職しやすい職種と言えます。
どんな企業でも売上を上げるために必要な職種ですから、求人は常に豊富にあります。
向いている人と向いていない人がいますし、中には飛び込み営業のように体力も精神力も必要な営業手法の場合もありますので、離職率も高い職種です。
しかし、一口に営業といっても、得意先を回るルート営業から、テレアポまで様々ですから、自分が楽しくチャレンジできそうな営業手法を取っている企業を探すことも大切です。
営業職が求められる能力は、コミュニケーション能力(ヒアリング力・提案力・プレゼンテーション力)や行動力、他人に好かれるような人柄などが挙げられます。
経験者であっても長所として備わっている人は沢山いますし、もちろん、実際に活躍するには経験値が重要ですが、需要の多さも相まって未経験でもチャレンジしやすい職種になっています。
事務・企画
一般事務、営業事務から、財務・会計・経理・総務などの管理系職種、資材購買などの職種が含まれる「事務・企画」も、求人数があり割合も高いので、転職しやすいと言えます。
もう少し細かく見てみると、事務系職種でも一般事務や営業事務といったアシスタント系職種の未経験歓迎割合が87%とかなり高いです。
管理系職種については、未経験歓迎が半数程度なので、アシスタント系職種とは、転職のしやすさも結構違うだろうことが予想できます。
気を付けたいところは、事務系職種は求人数自体はそこそこあるものの、人気も高いという点です。
特に女性に人気のある職種ですが倍率が高くなることが多く「転職しやすい」と気楽に考えていると、転職活動が長引く恐れがありますので注意が必要です。
サービス・販売・外食
旅行・ホテル・航空・ブライダル、小売り・流通・外食・アミューズメント、美容・エステ・リラクゼーション関連などの仕事がある「サービス・販売・外食」の職種も、求人数があり割合も高いです。
新規出店などで大量採用などもありますし、イメージしやすい仕事が多いので、未経験者でも転職はしやすい職種だと言えます。
反面、休日数が少ないことの多い仕事も多く、離職率が高い職種でもあるので、どのような仕事なのかしっかり理解した上で、決断するようにしましょう。
技能工・設備・交通・運輸
整備や工場生産・製造・工事、運輸・配送・倉庫関連、交通関連、警備・清掃・設備管理関連などが含まれる「技能工・設備・交通・運輸」の仕事も、求人数があり割合も多いので、未経験者でもチャレンジしやすいです。
ブルーカラーの仕事になりますので、仕事によっては体力が必要な場合もあります。また、専門性の高い仕事もあるものの、誰でも覚えやすい仕事なことも多いので、チャレンジしやすい職種でしょう。
ホワイトカラー職種なら大企業は難しいという人でも、ブルーカラー職種の場合は大企業に勤めるチャンスは沢山あります。
福利厚生や企業の安定性などを考慮に入れると、向いている人には良い選択肢になるでしょう。