30代は企業が求める経験やスキルを持っている人と、そうでない人との差が明確になる年代です。
30代の転職を成功させるためには、この年代の転職事情や押さておくべきポイントをクリアにしておくことが大切です。
このページでは30代の転職で知っておくべきポイントを解説してありますのでぜひ参考にしてください。
30代前半と後半の転職には違いがある
まず、転職成功者の年齢割合を見ていきます。上図は転職サイトdodaの発表したデータですが、このデータによれば、30~34歳までは23.5%、35歳~39歳までは13.7%となっています。
転職の平均年齢は32歳と言われていて、30代前半の割合は多いですが、30代後半は前半の6割弱にとどまります。
年齢が上がるにつれて、転職に慎重になることや、企業が要求する人材ニーズがよりピンポイントに限定されてくることが影響していると考えられます。
したがって、30代の転職は前半と後半でも、ある程度違いがあるという認識が必要になってきます。
30代前半の転職事情
リクナビネクストの調査では、下記のようなデータが出ています。
30代前半、転職希望者の不安 「転職活動は不利だと思う?」
不利だと思う:57.5% 不利だと思わない:40.0% 有利だと思う:2.5%50.4%の方が「不利だとは感じなかった」と回答。活動を終えた方々の意見を聞くと、30代前半くらいの年齢では、思ったほどには不利な場面に出くわすことはないようです。
リクナビネクスト:30代前半の転職って有利?不利?
また、同じアンケートでは、20代前半で「成功したと思う」という回答が43%という結果になっています。
他の回答は「成功したとは言えないと思う」25.4%、「どちらとも言えない」31.2%という結果ですから、満足度の高い人も少なくはないという捉え方もできますし、満足できない人が半数以上いるという捉え方もできるでしょう。
このように、転職後に成功と思えるかどうかに差が出やすいのは、20代の転職と違って企業が即戦力を求めるため、ニーズを満たせる経験・スキルを持っている人と、そうでない人の違いが明確になってくる年代だからです。
30代前半の転職で企業に求められるポイント
30代前半では、下記の3点が企業に求められます。
- 専門性
- スキル・経験
- 実績
この3つに「マネジメント経験、能力」があれば、なおさら良いですが、30代前半なら管理職経験ではなくても小規模のプロジェクトリーダーなどでもアピールができますやすいです。
人物面重視の企業でも、基本的には同職種や同業種の専門性や、経験に基づくスキル、実績を問われることが多くなりますので、しっかりアピールできる材料を揃えておくことが大切です。
30代前半から未経験職種は厳しくなる
未経験職種への転職は、即戦力として活躍してもらいづらいですから、30代前半からは厳しくなってきます。
しかし、まだ30代前半であれば、将来性も柔軟性もあり、仕事の覚えも早いので人物面を評価してもらえば、採用されることも十分にあります。
どうしてもキャリアチェンジをしたいのであれば、できるだけ若い年代したほうが良いので、ある程度厳しいということは認識した上で、早目に決断をしていくことが大事だとも言えます。
未経験でも今までの職種で培った経験を活かせる仕事はありますし、そうでなかったとしても、関連性のある要素はあるはずです。
自己分析や経歴の棚卸をしっかりと行い、「未経験でも早い段階で活躍してくれる」と感じられるアピールができるように準備していきましょう。
また、未経験でも職種ではなく業種の変更は、そこまで厳しいものではないです。ただし希望する業界の特性もしっかり見極めた上で検討していくようにしましょう。
30代前半の転職のポイントは下記のページでも詳しく解説していますので参考にしてください。

30代後半の転職事情
30代後半では、より企業の求めるニーズが明確になってきます。
「新体制で○○なスキルを持った人を採用したい」「離職者と同等のスキルや経験を持った人を採用したい」「自社にはいない○○の経験を持った人を採用したい」など、よりピンポイントな人材ニーズがある場合が多くなってきます。
それだけに、自分で優秀な経歴があると思っていても、企業ニーズとマッチしなければなかなか内定が得られないケースもあります。
そういった背景から、年収・待遇面でも、条件の良い転職ができる人と、そうでない人との差が顕著になってくるのが、30代後半という年代です。
30代後半の転職で企業に求められるポイント
エンジャパンのミドル世代の転職に関する調査では、35歳以上のミドル世代に求めるのは、上記のような要素だという調査結果が発表されています。
専門性や経験・スキルに関しては30代前半でも同じですが、より高い専門性や自社にない能力や経験というように、要求されるレベルが30代後半のほうが高くなっていきます。
応募企業がどのような人材を欲しがっているのかを把握して、それに合ったアピールをしていくことが大切です。
また、マネジメント能力や問題解決能力といったリーダーに必要な能力も、30代後半になると多くの企業が求める要素でもあります。
30代後半は未経験職種への転職は厳しい
30代後半で未経験職種へのチャレンジは、かなり厳しい状況があるということを理解しておく必要があります。
ただし、年収や条件面をある程度妥協してでも未経験職種が良いというケースでは、転職できないわけではありません。
dodaの調査では、転職者の28%の人が異職種へ転職していますし、割合としては30代前半と変わりがありません。
しかし、未経験職種ではあるものの、経験が活きる職種への転職でないと厳しいですし、マネジメント経験がありリーダーの資質があったり、問題解決能力に優れていると評価されたりと、職種のスキルとは別のスキルが求められることが多くなります。
30代後半の転職は年収アップできる?
30代後半は、年収アップできる人とできない人との差がハッキリと出やすくなっています。
厚生労働省の発表している「平成28年上半期雇用動向調査」によると、30代後半の年収アップ率は下記の通りです。
30代後半(35歳~39歳)の転職後の年収
- 増加・・・39.0%
- うち一割以上の増加・・・25.0%
- うち一割未満の増加・・・14.0%
- 減少・・・33.0%
- うち一割以上の減少・・・23.3%
- うち一割未満の減少・・・9.7%
年収アップする人と年収ダウンする人の割合が近いだけではなく、アップ・ダウンどちらとも「一割以上」の年収の動きがある人の割合が多くなります。
これは、企業のニーズにマッチした経歴を持っていれば、年収アップしやすく、そうでない人は年収ダウンしやすいという30代後半の転職の傾向を表していると言えます。
元から年収がそれなりに高くなってきている年代ですので、企業の求めるニーズに応えられる人材でないと年収アップは難しい傾向があります。
反面、高い給与を支払っても採用したいという「企業に必要な人材」を募集する求人も多く、市場価値の高い人材は、年収アップを勝ち取っています。
30代後半の転職については、下記のページも参考にしてください。

30代の女性の転職は男性とは違う?
同じ30代でも女性の場合は、男性とは違う状況があります。
女性の場合、結婚や出産で男性以上にライフスタイルが変化することが考えられ、それに応じて働き方も大きな変化があることが多いです。
結婚して寿退社をしたり、会社に残っても家庭との両立のために残業を少なくしたいなどの希望が出てきます。
また、出産となれば、産休・育休で仕事を休む必要が出てきたりもします。
そのため、面接では多くの場合、未婚女性は結婚の予定を聞かれますし、既婚女性は出産のことを聞かれます。
30代なら子育て中という方も少なくないでしょう。未婚で結婚の予定が無い女性より不利になってしまうケースも充分に考えられますので、それなりの認識を持っておく必要があると言えます。
このページで解説している内容にプラスして、女性の転職ならではのポイントは、別ページで解説していますので、それらも参考にしてください。


30代が転職成功するためのポイント
ここまで、30代でも前半と後半のそれぞれの転職事情を解説してきましたが、そんな30代が転職成功する為のポイントを解説していきます。
30代の転職失敗例を知っておく
まず、転職成功するためには、反対に30代での転職に失敗する人の特徴やネックになる要素を知っておくと良いです。
30代の転職に失敗しがちな人は下記のような特徴があります。
- スキルや専門知識がない人
- 市場価値を読み間違う人
- 条件面の妥協ができない人
- 明確な転職理由が無い人
- 批評家気取りで不満が強い人
- 自分の強みが解らない・アピールできない人
また、30代が転職時にネックになるポイントは、下記のようなものがあります。
- 家族のストップが掛って転職できない
- 安易な退職をすると経済的に困る
- 年収がアップできない
詳しく知りたい場合は、下記のページを参考にしてください。

市場価値を見極める
自分で自分の経歴を優秀だと思っていても、現在の求人の状況から判断して需要がなければ市場価値は低いということになります。
転職の市場価値は、企業のニーズとのマッチング度が高いかどうかの問題になりますので、自分だけで判断するのはなかなか難しい面もあります。
市場価値を見誤ったまま、応募を続けていても、なかなか選考が先に進まないという事態に陥るケースが見受けられますので、注意したいところです。
市場価値を見極めるのに一番簡単な方法は、転職エージェントを利用することです。
転職エージェントでは、集まった求人の中から、あなたの市場価値に見合った(経歴・スキルなどにマッチした)求人を紹介してくれます。
反対に受かる見込みの薄い求人は紹介してもらえないということでもありますが、現状の自分の市場価値がどのようなものなのか、紹介される求人の条件や、キャリアアドバイザーとの話の中で把握していくことができます。
転職の目的と条件を明確にする
転職は、今ある不満を解消して将来のキャリアプランを実現させるために行うものです。どんな目的感があって転職をするのか、そのために必要な条件は何なのかという点をクリアにしておかないと、うまくいくものもうまくいかなくなる恐れがあります。
また、転職エージェントを利用しても、「どんな仕事をして、どうなっていきたいのか」、「条件はどんなものがあるのか」伝えられなければ、求人の提案制度は自ずと下がってしまいます。
「今後、子供の教育費が掛かるから年収を上げたい」といった目的がある場合は、年収アップは外せない条件になるでしょうが、仕事内容や待遇面でもいろいろな希望があると思います。
しかし、全てを叶える転職は、誰にでもできるわけではありません。
希望条件を整理して優先順位を付け、どこまでの条件が揃えば転職しても今より良い環境になる可能性が高いのか、しっかり考えておくようにしましょう。
企業ニーズに合わせたアピールをする
いくら自分の優秀な経歴をアピールできても、企業が欲しい経験やスキル、特徴でなければ、採用には至らない可能性が高いです。
長期間内定が得られなかった人は、アピールの角度を変えただけですんなり内定が取れ出したという例も少なくありませんので、それだけ企業ニーズの見極めは転職成功に欠かせないものです。
企業がどのような人材を欲しているのかは「募集要項」や「業界研究」「企業研究」などとともに、自己分析や経歴の棚卸を行う必要があります。
ただ、仕事をしながら分析を行うのは、簡単なことではありませんし、正解なのかも解らないので大変です。
転職エージェントは、企業の依頼で人材紹介をしているサービスですので「企業がどのような人材を欲しいのか」ということを事前に把握していますので、企業に合わせた対策を取りやすくなります。
在職中に転職活動をする
今いる会社を安易に退職してしまうのは避けるようにしましょう。
給与をもらわずに転職活動をした場合、すぐに決まらないケースでは、適当に転職先を決めるしかない状況に陥ります。
失業保険や貯蓄があるという意見もあるかもしれませんが、失業保険は自己都合退職なら3ヵ月後ですし、もらっていた給与額をもらえるわけでもありません。
納得のいく転職先が見つかるまでじっくり転職活動を進めていくためにも在職中の転職活動をおすすめします。
下記のページも参考にしてください。

30代におすすめの転職サイト・転職エージェント
ここでは、30代の転職におすすめの転職サイトを紹介していきますので、登録の参考にしてください。
マイナビエージェント
『マイナビエージェント』は、マイナビグループが運営する転職エージェントです。
徹底した職務経歴書や面接対策など手厚いサポートに定評があり、利用者の評判もかなり良い転職エージェントですので、男女問わずおすすめです。
マイナビ独自の非公開求人も豊富で、大企業から優良中小企業、ベンチャー企業まで、幅広い求人が集まっています。
30代前半までがメインの利用者になりますので、特に30代前半の人は積極的に利用しましょう。
doda
『doda』は、リクルートエージェントに次ぐ業界2位のエージェント型の転職サイトです。20代と比べて人員補充が主になってくる30代では、転職活動を行うタイミングによっても求人数や質にバラつきがでやすくなります。
その為、「保有する求人案件が多い」転職エージェントの利用は必須と言っても良いくらいになります。
35歳以上のミドル層の求人も多いので、30代全般におすすめです。
リクルートエージェント
『リクルートエージェント』は、約16.5万件(内非公開求人 約13.7万件)と、求人を圧倒的に多く保有しているのが最大の特です。
利用者の年齢割合では30代前半が19%、30代後半10%と、そこまで30代の利用者が多い転職エージェントではありませんが、圧倒的な求人数から考えれば求人数は他社と比べても多いのは確実なので、30代でも登録必須の転職エージェントです。
良質な求人案件を多く保有していているのでキャリアアップしたい人も安心して利用できます。
type転職エージェント
『type転職エージェント』は老舗のキャリアデザインセンターが運営するエージェント型の転職サイトです。業界内でも親切なサポートに定評があり、経歴に自信がない人でもしっかりサポートしてもらえる可能性が高いのがおすすめのポイントです。
ただし、東京、神奈川、千葉、埼玉での転職がほとんどな為、地域は限定されてしまいます。が、その割には「紹介してもらえる求人が多い」という評判もあり、首都圏の人にはかなりおすすめの転職サイトです。
JACリクルートメント
『JACリクルートメント』は、売上ベースで業界3位のエージェント型の転職サイトです。
ハイクラス案件、外資系案件が中心の転職エージェントなので、経歴に自信のある人は年収アップできる可能性も高くおすすめです。
提案力の高さと求人の質、サポートともに定評があります。現在年収500万円~600万円以上が利用者の目安です。
リクナビNEXT
『リクナビNEXT』は求人をサイト上で探して、自分で応募するタイプの転職サイトですが、転職エージェントとはまた違ったタイプの求人が多く掲載されています。
総合的に見て、求人の質は転職エージェントより低いと言わざるを得ませんが、マイペースに求人を探していきたい人にはおすすめします。
職歴等のレジュメを記入しておくと、企業の人事担当や転職エージェントからのスカウトが届きます。
求人サイト型の転職サイトを利用するなら、迷わずリクナビNEXTに登録しておきましょう。ただし、エージェントにも登録してできるだけ選択肢を広げることが望ましいです。
下記のページでは、さらに細かく30代におすすめの転職サイト・転職エージェントを解説していますので参考にしてください。
