近年では「あえて」40代の求職者を採用したい企業も増えています。それでも、一般的に40代の転職は厳しいと言われています。
以前のイメージのままに「厳しい」と言っている人も多いですが、実際に厳しいケースもあることは事実です。ただし、企業の人材ニーズにマッチしていさえすれば、想像以上に良い条件で転職できるケースも少なくはありません。
このページでは、40代が転職成功する為のポイントを解説していきます。
40代の転職を具体的な理由もなく厳しいと思い込んでしまっている方は、まず『40代の転職は難しい?不安や焦りを解消する7つの要素。年収アップも可能!』の記事を参照してください。
具体的なデータや数値を挙げて、40代の転職は、思っているようにネガティブなことではないことを知っていただけると思います。
40代の転職成功はキャリアがものを言う
まず、企業ニーズを知っておく必要があります。30代後半~40代のミドル層と言われる求人が増加している背景には、企業のニーズの変化があります。
40代の転職成功者の割合は、2007年に2.5%しかいませんでした。しかし2016年には15.1%もの割合になっています。単純に40代以上の転職希望者が増加しただけではここまでの数値になるわけがなく、企業のニーズが増加していることは明らかです。
そういった状況で、企業の人材ニーズとマッチしていれば、当然ながら転職成功は難しくないわけですから、なぜ企業が40代を欲しがるのか、その理由を知ることが大切です。
enミドルの転職では、コンサルタントに40代を含むミドル層についてのアンケートを行っています。
引用元:『ミドル人材の転職者に対して「採用企業が求めるスキル」』
この結果を見ても解る通り、経験を多く積んでいるからこそ得られる「スキル」が企業ニーズになっていることが解ります。
また、役職で言えば、課長クラス・部長クラスなど、やはり管理職としての活躍が期待されています。
企業の求めるスキルを1つずつ見ていくと、現場のプレイヤーとしてバリバリ働く能力もあり、部署をまとめ上げるリーダーとしての役割も期待されているということが解ります。
異業種の転職で成功するケース
一定レベルのスキルが求められる40代の転職では、やはり未経験職種への転職には厳しいものがあります。
当然ながら、「同業・同職種の経験と能力をいかんなく発揮して欲しい」というのが企業の本音になります。
しかし、異業種でも同じ職種であれば、未経験職種ほど厳しくはないようです。
「異業種への転職を実現した転職者がいる」と回答したコンサルタントは、約60%。異業種からの転職者を受け入れている業種として、一番多い業種は「メーカー」(68%)、次いで「商社」(45%)「流通・小売・サービス」(45%)という結果に。
6割のコンサルタントが異業種への転職成功を経験していてるとのこと。また、業種によっても異業種を希望する求職者を受け入れ方に違いがあることが解ります。
また、職種で言えば、「営業・マーケティング系」「経営・経営企画・事業企画系」「事務・管理系」の3種類の職種が、異業種転職で受け入れられやすいというアンケート結果になっています。
たしかに、異業種での経験やスキルが、転職先で生かせるかが採用のポイントでしょうから、納得のいくものだと思います。
求人紹介は転職エージェントを利用するのがベスト
40代の転職成功の可能性を広げるためには、転職エージェントの利用は必須です。求人サイトを眺めていても、「40代希望」なんて書いてありません。
多くは、法令上記載できないだけで、20代~30代前半の若手を募集している企業が多いことが一般的です。
反対に、ピンポイントで管理職経験者を確保したい場合、企業は多くのケースで転職エージェントに依頼すると心得ておいたほうが良いでしょう。そのほうが企業にとってもミスマッチが防げるからです。
若手ならまだミスマッチがあったとしても給与が安いので比較的企業のリスクが少なくなりますが、40代は20代と比べて給与も割高ですし、役職のポジションを与える必要性も考慮すれば、当然の判断だと言えるでしょう。
若手を沢山確保したい離職率の高めな業界や職種の求人を探すなら求人サイトでも問題ありませんが、40代ができるだけ良い条件で転職成功といえる転職を勝ち取りたいのであれば、必ず転職エージェントを利用するようにしましょう。
まずは市場価値を確かめる
転職エージェントを利用することを前提として、まずはキャリアコンサルタントに求人紹介してもらうことで、市場価値を確認することが大切です。
紹介を受ける際は、キャリアに自信がある場合は別として、条件は控え目にしておきましょう。そうすることで、求人紹介の幅が広がります。
初めから、「役職は課長以上で給与は今の水準を保ちたい」といった本音だけで伝えてしまうと、選択肢が狭まるばかりか、下手をすれば利用を断られてしまう可能性も十分に考えられます。
そうなってしまえば、市場価値を確認することもできなくなりますし、ただただ「やっぱり40代は厳しいのか・・・」などとネガティブな思いだけが残ってしまうことにもなりかねません。
人それぞれ経歴が違うため、一概には言えない部分はありますが、あなたのキャリアから、「こういう活躍・貢献ができるはず」という印象を与えることができ、条件が多くなければ多くの求人紹介を受けることができる可能性は高くなります。
それでも、求人紹介数が少ない場合は、コンサルタントの提案力が低いか、たまたま40代の求人が少ない時期だったということです。そういったケースも想定し、多くの転職エージェントを併用することが大切です。
市場価値が把握でき、コンサルタントと会話する中で、「いけるかな」と感じれば、ワンランク上の条件をつけて応募先を絞っていけば良いです。
企業に押せる人材として判断されれば、給与交渉や待遇交渉も請け負ってくれるのが転職エージェントなので、心強い味方になってくれるよう、上手にコントロールしていくことが大切です。
キャリアに自信がある人はハイクラス・エグゼクティブ向けのエージェントを利用する
キャリアに自信があるという人は『doda』や『リクルートエージェント』のようなトップクラスの求人数を誇るエージェントとともに、「高年収のハイクラス案件」「エグゼクティブ案件」に強みのある転職エージェントを利用することをおすすめします。
具体的なおすすめは下記の転職エージェントです。
まとめ
40代の転職では、年齢に応じた豊富な経験とスキルを生かしてくれることを期待されています。またキャリアに自信がない場合でも、やはり長い経験がないと磨かれていかない特長はあるものです。
とはいえ、40代での転職失敗は、若手よりもリスクが高いので、慎重に転職活動を進める必要があります。
また3か月以内で6割の人が転職先から内定を得ているというデータがありますが、4割の人はそれ以上の期間が必要になるということでもあります。
特別な事情がない限り、ある程度長く掛る可能性があることも頭に入れて、在職中に転職先の内定を得てから退職するようにすることをおすすめします。