転職エージェントを利用するメリットとして「書類選考の通過率が上がる」ということが言われますが、実際にはどうなのでしょうか。
このページでは、転職における書類選考通過率や面接通過率が一般的にどの程度なのか、転職エージェントを利用すると選考率が上がるのか、など応募社数の目安になる情報を解説していきます。
中途採用(転職)の選考通過率はどのくらい?
転職の流れは通常、下記のようになります。
- 応募(エントリー)
- 書類選考(職務経歴書)
- 一次面接
- 最終面接
※筆記試験を行う企業もあります。
※2次面接を行う企業もあります。
選考通過率は、企業によってもかなりバラつきがあり、「営業職は会ってみないと解らないから」という理由で、8割通過する企業があったり、反対に2割しか通らない企業もあります。
また、当然ながら応募者のスペック(市場価値)に合った企業を受けた場合とそうでない場合の通過率の差は大きくなります。
書類選考通過率は30%~50%程度
一般的な話で言えば、書類選考通過率は30%~50%程度と言われています。
より、市場価値に合っている企業に応募したり、企業ニーズに合ったアピールができていれば、もっと高くなることもありますが、目安としては30%~50%と考えて準備をすると良いでしょう。
転職支援会社の調査による書類通過率
リクナビNEXTの調査では、書類選考通過率は、45.3%と高い数値になっています。
アンケート結果では、応募数の平均は7.5社、面接した企業の平均は3.4社、内定が出たのは一人あたり平均1.4社となりました。平均すると、応募から書類選考の通過率は約5割、面接からの内定率は約4割のようです。
出典:リクナビNEXT
一般的に言われる平均値よりかなり高いですが、「調査対象は5年以内に転職した20~30代正社員 男女1000名」ということなので、転職しやすい20代が数値を押し上げていることが考えられます。
一方、dodaの調査では、「応募18社で面接5社」とありますので、書類選考通過率は27.7%となります。
この調査は、2017年の1年間でdodaエージェントサービスを利用して内定した人の平均値です。
つまり、dodaエージェントサービスの書類選考通過率は27.7%ということです。
また、マイナビ転職の調査では、マイナビエージェントを利用して内定した人の書類選考通過率は30%と公表されています。
転職の面接の通過率はどのくらい?
面接の通過率、つまり書類選考通過後に内定をもらえる確率は一般的には20%~30%程度と言われています。
最終面接まで進めば、50%~60%は内定と考えても良いでしょう。
ただし、書類選考と同様に、企業によってバラつきがかなりあるので、あくまで目安として考えるようにしましょう。
転職支援会社の調査による面接通過率
リクナビNEXTの調査では、約41%が面接を通過して内定を得ていることが分かります。
一方、dodaの調査では、dodaエージェントサービスを利用して内定を得た人の平均は20%という数値になっています。
また、マイナビ転職の調査では、マイナビエージェントを利用して内定を得た人の平均は、一次面接30%、最終面接50%ということなので、面接の通過率は15%ということになります。
転職サイトと転職エージェントではどちらが通過率が高い?
まず、転職サイトと転職エージェントの利用者は属性が同一ではないという点は注意が必要です。
転職サイトは、実務経験を問わない未経験歓迎求人も多く、大量募集や随時募集している企業も多い傾向がありますので、選考通過率は高くなりやすいです。
ただし、有名企業など優良求人に限っては、応募者が多くなりやすく、ライバルが増えるため、選考通過率がガクっと下がる傾向があり、市場価値に合わせて応募する企業を選定できないと、書類選考の段階でつまづいてしまうという人も少なからずいます。
一方、転職エージェントの求人は、基本的には「実務経験を求められる」求人が多いので、転職サイトより選考基準が高くなる傾向があります。
また、転職エージェントの利用者は20社程度は応募する人が多く、転職サイトでは「マイナビ転職8.4社(全年齢)」、「リクナビネクスト7.5社(20代・30代)」という平均応募社数になります。
これは転職エージェントでは、「応募を促される」という面があるためだと考えられます。転職エージェントは企業の依頼を受けて人材紹介をしているため、「ある程度の人数を紹介する」というのも大事な仕事の1つです。
結果として、ライバルとの競争は避けられない部分があるということですが、1人で転職活動を進めて転職エージェントで紹介される企業と同等の企業に直接応募した場合と比べれば選考通過率が高くなるということが言えます。
転職エージェントで書類選考や面接通過率を上げられる?
それでは、転職エージェントを利用すれば、内定率を高めることができるのでしょうか。
ここでは、転職エージェントでどのような選考対策が行われ、どのようなメリットがあるのかを解説していきます。
転職エージェントの書類選考対策は通過率を高める
書類選考は、学歴や経歴、実務経験年数、転職回数など、企業によって様々な目安がありますので、ここでは個別具体的な話には触れません。
その上で、書類選考通過率を上げる対策では下記の2点が重要です。
- ミスが無く体裁が整っていること
- 応募企業に適切なアピールができていること
転職エージェントを利用することで、自力で対策するのと比べ、この2点をプロの視点で客観的にチェックしてもらえますので、書類選考通過率を上げられると言えます。
見栄えも大事!ミスなく体裁を整える
人事担当者の元には、多くの選考書類が届きます。もちろん、1人ずつ時間を掛けて慎重に選考を進める企業が多いですが、担当者も人ですので見やすく体裁が整っている書類は、印象が良いものです。
白黒の文字だらけの書面ではありますが、少しでも見栄え良く、分かりやすい書類になっていれば、転職の意欲や書類作成のスキルなどのアピールにも繋がります。
また、ミスのある書類は、とても印象が悪いです。大事なクライアントにもミスがある書類を提出したり、見積書で桁を間違えるなんてことになれば、信用問題や業績に影響するような事故になりかねません。
ですから、しっかり書類を確認してミスがない状態にして提出できているかどうかは、意外と重要なことです。
転職エージェントを利用すれば、職務経歴書を添削してくれ「もっとこの辺りを読みやすいようにできませんか?」などアドバイスをもらえます。
応募企業ごとに適切なアピールは違う
職務経歴書では、自分の強みを企業にアピールする必要がありますが、自分の強みに気付いていないという人も意外と少なくありません。
もちろん、自力で自己分析を進めることは重要ですが、転職エージェントのキャリアアドバイザーが経歴や人柄などから強みに気付き、アドバイスをくれることもあります。
また、自分では強みと思っていても、応募する企業によっては、魅力を感じないというケースがあります。反対に、自分では職務経歴書で伝える内容ではないと判断していても、実際には企業が魅力を感じるアピールになる場合があります。
転職エージェントは、企業の人材ニーズを把握していますし、過去にどのような人を採用してきたか知っていますので、企業に合わせた適切なアピールがしやすくなります。
結果として、書類選考通過率を上げられるということになります。
転職エージェントの面接対策は内定率を上げる
続いて、転職エージェントを利用すると面接通過率=内定率を上げることがなぜできるのか解説していきます。
転職エージェントを利用すると下記のようなメリットがあります。
- 模擬面接など企業ごとの対策をしてもらえる
- 面接後に企業へフォローをしてくれる
この2点は自力での対策をするよりも、かなり面接通過率を高めてくれると言えます。
模擬面接など企業ごとの対策は重要
選考書類対策と同様に、面接対策でも企業側の視点があるのは大きいです。
転職エージェントでは、企業の希望する人材像が分かっていたり、過去の面接での質問傾向なども分かっていることが多いので、企業ごとに適切な対策を取ることができます。
面接のポイントは、メールで箇条書きのようなコンパクトな形で教えてくれますが、それだけでなく模擬面接をお願いすることをおすすめします。
実は、模擬面接は全ての利用者が受けるわけではなく、希望した人に行っているので受けない人も多いようです。(キャリアアドバイザーから「模擬面接してみませんか」とお誘いがあることもあります)
面接後に企業へフォローしてくれる
転職エージェントでは、基本的に面接後にキャリアアドバイザーから連絡があり、「面接はどうでしたか」と状況確認をしてくれます。
「面接ではリラックスして論理的に回答し、明るい表情で臨みましょう」などと良く言われますが、実際には緊張をする人も少なくありませんし、「言おうと思っていたのに言いそびれた」「上手く回答できなかった」などと後悔する場面もあると思います。
そういった場合は、キャリアアドバイザーに伝えることで、企業側にフォローを入れてくれます。
また、企業からフィードバックがあれば、二次面接の対策も立てやすくなりますし、別の企業の面接に役立つ情報を得られる場合もあります。
1人で進める転職活動では、面接後のフォローや企業のフィードバックを受けることができませんので、転職エージェントを利用したほうが、面接通過率が高くなると言えます。
選考通過率はエージェントの成績にも関係する
裏事情として、転職エージェントでは、売上目標の他にも、応募数や書類選考通過率、内定率など詳細な目標があり、一定の数値を残さないと成績に影響します。
そのため、利用者にはできる限り、選考通過して欲しいと考えますし、ある意味、利害が一致しているので、しっかり選考対策をしてくれます。
ただし、キャリアアドバイザーは、多くの利用者を担当していますので、より深い選考対策をしてもらえるように、こちらからアプローチする姿勢も忘れないようにしましょう。
まとめ
転職の平均通過率は、経歴や応募企業によっても大きな差があります。
目安としては、
- 書類選考通過率・・・30%~50%
- 一次面接通過率・・・30%~40%
- 最終面接通過率・・・50%~60%
くらいで考えておくと良いでしょう。
高めに見積もって、書類選考通過率50%→一次面接通過率40%→最終面接通過率60%とした場合でも、
応募社数9社でようやく1社内定ということになります。数社の内定を獲得して、最終的に転職先を選択したいということを考えれば、20社程度は最低でも応募する必要があると言えそうです。
当然、人によって、経歴も年齢も違うので、一概には言えませんが、内定率はそれほど高くないので、多くの企業に積極的に応募するようにしていくと良いでしょう。
転職エージェントでは、職務経歴書の添削や面接対策といったサポートを無料で受けられますので、積極的に利用してください。
転職エージェントを選ぶ際は、下記の2ページも参考にしてください。

