転職において、企業研究や業界研究は思っているより大事です。学生の就職活動時には、会社四季報で企業を調べたり、OB訪問を行い実際の会社の様子を先輩に聞いたりと、丁寧に進めていた人でも、案外、転職時には適当に済ませてしまうことが多いようです。
もちろん、学生時代のような時間的な余裕はありませんので、じっくり時間を掛けて企業研究や業界研究を行うのは難しいかもしれません。
しかし、理想の転職を実現するためには、避けては通れない重要なステップでもあるので、しっかり取り組んでいただければと思います。
このページでは、「企業研究」「業界研究」を行う理由と、効率的なやり方を解説していきます。参考にしていただければ幸いです。
企業研究を行う理由
企業研究は、転職先の企業情報をリサーチし、企業の特徴を把握し、自分に合っているか、希望通りの仕事ができるのかなどを見極めると同時に、書類選考・面接という選考に受かる確率を上げるものです。
ホームページなどを見て、軽く「どんな企業だろう」と調べる程度で終わらせてしまう人も中にはいますが、きちんと調べておかないと、入社後に「思っていたのと違う」「こんなはずじゃなかった」というように、職場環境や業務に対してのイメージと現実の間にギャップが生じ、転職を後悔するような事が起こらないとも限りません。
また、志望動機や自己PRにも大きな影響があります。企業研究をしっかり行えば、企業に求められているであろう人材像もある程度浮かびあがってきますし、企業の特徴の特徴を知ることで人事担当者に好印象を与える志望動機や自己PRができるので、内定率をアップすることにも繋がります。
企業研究の方法は
それでは、具体的にどのように企業研究を行うのかを解説していきます。
- 企業のウェブサイトを調べる
- 企業に関係したインタビュー記事、ブログ、SNSなどを調べる
- 会社四季報を調べる
- IR情報を調べる
- 転職会議、Vorkersなどの口コミサイトを調べる
企業のウェブサイトを調べる
企業のコーポレートページは、企業理念や行っている事業、従業員数、事業所の数や所在地など、基本的な情報を得ることができます。代表的な製品や力を入れているプロジェクトなどの情報も基本的な情報として確認しておきましょう。
企業の基本的な情報は、知っていないと書類選考ではなんとかなっても、面接ではバレバレになってしまいます。企業研究をしてもらえてないのを人事担当者が気付けば「入社意欲が低いのでは」と心配されてしまうでしょう。
また、採用情報のページを調べることで、企業が求める人材像を把握することができます。
企業の求める人材像については、記載されている情報だけでは足りない部分がありますが、転職エージェントを利用するのであれば、「どのような人材を求めているか」は教えてもらうことができます。
企業に関係したインタビュー記事、ブログ、SNSなどを調べる
さらに、企業がアピールしたい製品や推進している事業、これからのビジョンなどは、ネット上でインタビュー記事を探すのも1つの方法です。
企業の戦略やビジョンなども伝わってきますし、ポジティブなものでもネガティブなものでも、ある程度大きなトピックがある場合は、ニュース記事で取り上げられていることもあり、企業を知る良い情報源になります。
同様に、企業ブログやTwitter、FacebookなどのSNSも、企業研究には有用です。特に第三者の客観的な意見が知れることは有意義なことです。実際に働いていた人の声も聞けるかもしれません。
ただし、個人の意見は冷静に判断するようにしましょう。特にネガティブ要素は、多くの人が感情で口コミする傾向があります。感じ方は人それぞれなので、流されすぎず、客観的に分析することが大切です。
就職四季報を調べる
『就職四季報』は『会社四季報』の就職バージョンです。会社四季報はどちらかと言うと投資家用ですが、こちらは就職に特化しているので、転職の際の会社研究にとても便利です。
企業から掲載料を取らずに客観・中立的な立場で制作されているので、会社が出したがらない「離職率」や「有休消化状況」なども掲載されています。
応募してみたい気になる企業が見つかったり、転職エージェントで転職先を紹介してもらったら、すぐに調べるようにしましょう。
就職四季報には、「優良・中堅企業番」や「女子版」もありますので、それぞれ用途にあったものを選ぶと良いでしょう。
IR情報を調べる
IR情報は、多くの場合、企業のホームページに掲載されています。株主をはじめ、投資家用の資料ですが、決算報告などを見ることで企業の経営状況や、事業計画の概要がつかめます。
売上高、営業利益、経常利益、どのような要因で売上高や利益が増加した(減少した)か、計画とのギャップが生じた理由や、次年度の戦略の概要などがある程度解るので必ず目を通しておきましょう。
業績だけで転職先を判断するわけではありませんが、ハッキリとした意図がないのに赤字を続けて「再建計画」を実行中の企業に転職すれば、後悔する可能性も高くなってしまいます。
もちろん、意図や覚悟があれば、狙ってそういった企業に入るのもアリですが、ともかく経営状況をグラフなどで視覚的にも確認することができるので、必ず目を通しておきましょう。
転職会議、Vorkersなどの口コミサイトを調べる
企業の概要は掴めたとしても、実際の職場環境まで解るわけではありません。実際の職場環境や労働時間などを知りたい場合は、転職用の口コミサイトを調べるのも1つの方法です。
転職の口コミサイトは、実際に勤めていた人の意見が聞けるので、とても参考になります。ただし、個人の意見ですので偏った意見が多くなることを前提に客観的に総合的な判断をすることが必要です。
転職で使える口コミサイトは、有名なところでは、『転職会議』や『VORKERS』などがあります。
また、転職エージェントを利用すれば、労働環境や職場の雰囲気などの内部情報を教えてもらうことができますので、口コミサイトで書かれていることとのギャップがあれば、具体的な相談をすることができるので、より現実に近い企業の情報を得られるでしょう。
まとめ
このページでは、企業研究のやり方と、行う理由について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
応募企業を知ることは、将来自分が働く可能性のある会社を知ることでもあります。多少の労力は掛かりますが、理想の転職を実現する為には必須ですので、きちんと調べておくようにしましょう。
転職エージェントを利用する場合には、企業の内部情報など自分では知り得ない情報も得られることがありますが、転職エージェントは入社を勧める仕事でもあるので、ネガティブな要素よりポジティブな要素をアピールしてくることが多いのは致し方ありません。
自分でもしっかり企業研究を行うことで、転職エージェントにも具体的で適切な相談をすることができますし、コンサルタントに転職意欲もアピールできるので一石二鳥です。
なんとなく転職しようとしている人と、しっかり企業研究を行って、準備をしている人と比べれば、エージェントがどちらをより企業に推薦したくなるかは明白でしょう。もちろん、企業にとっても同様です。
調べた内容は、すぐ見返せるようにノートにまとめるなどして、複数の選択肢を比較したり、志望動機や自己PRを考える際に役立てていきましょう。