年間休日が90日未満の会社は、そう多くはありません。
仕事は休日数だけで選ぶものではありませんが、休日数が少ない企業を選ぶのであれば、それだけ慎重に行動すべきでしょう。
このページでは年間休日が90日の企業の内訳や、
年間休日90日は違法?
労働基準法には休日に関して下記のように定められています。
労働基準法第35条(休日)
1、使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。
2、前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。
法律では、休日は最低で週1日、年間で考えると53日以上と定められています。さらに、4週で4日以上の休日ということですから、コンスタントに休日が設定されるようになっています。
また、労基法には1週間での労働時間も定められていて、その時間は40時間以内です。
計算すると1年間の労働時間は2085時間以内ということになりますが、1日8時間労働で換算した場合260日となり、休日数としては105日になります。
ただし、それ以下の年間休日数である90日が違法かというとそうではありません。
1つは、1日の労働時間が8時間以下である場合。例えば、1日7時間労働なら必要な休日数を計算しても68日となりますので違法ではありません。
もう1つは労使間で36協定が結ばれていている場合。週に40時間をオーバーしても、時間外手当が支払われていれば、ただちに違法ということにはなりません。
他にも、一ヶ月または一年間で労働時間を調整する変形労働時間制を採用しているケースもあります。
つまり、年間休日が90日の場合も違法かと言われれば、ケースバイケースだと言うことです。
それは年間休日が130日あったとしても残業がバカみたいに多かったり、時間外手当が支払われていなければ違法になることもあるのと同様に「年間休日数だけを見ても判断できない」という答えになります。
年間休日90日の内訳
年間休日90日は「週休2日制」(月に一度以上週2の休み)です。
完全週休2日制の場合は、年間52週で104日以上の年間休日になりますが、90日の場合はシフト制になる事が多いでしょう。
サービス業や販売業や宿泊業など、土日や祝日が書き入れ時という業界の仕事が多く、その場合は土日や祝日はそもそも休みづらいことが多いかもしれません。
日曜が休みになる仕事だとした場合は下記のような内訳になります。
日曜日・・・毎週休み
土曜日・・・隔週で休み
ここまでで年間78日
残りの12日は、夏季休暇や年末年始休暇、GW休暇など。
年間休日90日はきつい?
年間休日90日は、平均(約114日)と比べると33日も少なく、年間で1か月以上多く出勤することになります。
サービス業や販売業、宿泊業などは、世間の休日が稼ぎ時ですから仕方ない部分はありますが、休日が気になる人は避けたほうが良いかもしれません。
ただし、きついかきつくないかで言うなら、休日数だけでは判断がつきません。
休日が多くても休日出勤や残業などの時間外労働が多ければ、楽とは限らないですし、反対に休日が少なくても残業がほとんどなく、決まった時間に毎日帰れる職業のほうが楽だという人もいるでしょう。
年間休日90日のメリット
- 残業が少なく一日の労働時間は短いケースも多い
- 休日が少ない分、お金が溜まる
休日数の少ない業種の場合、残業が少なく定時で帰れることも多いです。そんな場合は毎日早く帰れればプライベートや家庭のことを充実させることも可能ですね。
子どもできても、毎日顔を見て相手をすることができる人も多いのではないでしょうか。
また、独身の人の場合は「遊びに行く休みが少ないからお金が溜まる」という意見も良く聞きます。稼いだ分使わずに貯金できるというのは1つのメリットかもしれません。
年間休日90日のデメリット
- 友人など周囲の休みと合わない
- 土日の休みが限定される
反対に休日が少ないことによるデメリットもあります。
年間休日90日以下の人は全体で10%程度しか居ません。周囲の友人が休みでも自分は仕事という場面は多くなるでしょう。
土日が休みづらい仕事なら、なおのこと交友関係は乏しくなってしまうかもしれませんし、シフト制なら連休も摂りづらいことがあるかもしれません。
有給があるから大丈夫は危険かも
有給休暇を取得すれば、新人でも10日は休みが取れるから、合計で100日休めると思う人もいるかも知れませんね。
しかし、有給休暇は年間休日120日などの企業でも同様に取得できるので、年間休日が少ないことの穴埋めとして考えるべきではありません。
最近では有給休暇の取得を奨励し、取得しやすい環境を作ってくれる企業も増えましたが、それでも有給休暇の取得率は平均でも48.7%と半数以下です。(厚生労働省が発表する「就労条件総合調査」のデータによる)
有給取得率は、会社四季報などでも掲載されていますが、実際の労働環境の詳細を知るには、Vorkersのような口コミサイトを参考にしたり、転職エージェントに相談して、内部情報を把握する事が必要です。
ただ、有給休暇で休んだ分は、自分の仕事を他の誰かが負担するか、自分の仕事が残ったままになるということでもあります。
取得しやすくても取得するのを躊躇する状況も考えられますし、やはり純粋な休日と考えるのはやめておくようにしたほうが良いでしょう。
年間休日90日以下なら転職すべきか
転職時に「少しでも休日が多く欲しい」と思うのは普通のことです。
仕事は人生の中でもかなりの割合の時間を使うものです。少しでも人生を充実させる為には、休日が多いほうが良いという人が多いのは理解しやすいことです。
ただ、仕事を選ぶ際の条件は休日数だけではないはずです。
休日数が多いからといってホワイト企業と思っていたら、残業が多すぎて実際の労働時間は休日数が少ない前職のほうが短かったなんてことも起こらないわけではありません。
残業量の目安や、福利厚生、仕事の内容、年収など、諸々の要素も含めて、自分の転職する条件を明確にして、総合的に判断していくことが大切です。
もっとも、年間休日が多い会社に転職したいのであれば、該当する企業の求人は沢山あります。
しかし、転職をしたいと思って転職サイトをチェックしているけど「転職したいと思える条件に合った求人がない・・・」と思ったことがある人も少なくないのではないでしょうか?
転職エージェントは企業HPや転職サイトに一般公開されていない「非公開求人」を沢山保有しています。
しかも、「非公開求人」の割合は8割~9割と言われています。転職サイトなどを見て見つかる求人は全体の1~2割でしかないのですから、理想の求人に出会えなくても不思議はありませんよね。
あなたの希望を実現する可能性を高めるためには、必ず転職エージェントを活用し、非公開求人を紹介してもらうようにしてください。
転職エージェントの利用が大切なのは、非公開求人を紹介してもらう為だけではありません。
ハローワークや求人検索型の転職サイトでは下記のような注意が必要だからです。
- 市場価値を知らないと書類選考に通らない
- 求人票の休日数が嘘の場合がある
転職サイトなどの場合は自分の市場価値を見極めないで応募してもなかなか選考に通りませんし、市場価値に見合った企業を自分で判断するのは難しいものです。
転職エージェントでは市場価値に合った求人を紹介してもらえるので、内定の確率を上げることができます。
また、ハローワークや転職サイトの求人票や募集要項は嘘ばっかりとは言わないですが、求職者を集めたいがために、少なからず自社を良く見せる記載になっています。
年間休日数も「特別休暇」や「有給休暇」を含んだ数字を掲載している場合があります。
転職エージェントでは、実際の労働環境などの内部情報を詳細に聞くことができるので、転職後に後悔するリスクを減らすことができます。
選考対策や面接スケジュールの調整、企業への強い推薦、給与待遇交渉など、様々なサポートが無料で受けられるので、自力ではとても負担の大きい転職活動もスムーズに進めることができます。
転職エージェントのおすすめと注意点
転職エージェントを利用する際は以下のポイントが重要です。
- 大手の転職エージェントを利用すること
- 優秀なキャリアアドバイザーと出会うこと
細かく言えば他にもありますが、一番重要なのはこの2点です。重要過ぎるので詳しく解説していきます。もう少し我慢してお読みいただければ幸いです。
大手の転職エージェントを利用すること
大手の転職エージェントを利用しなくてはいけない理由は、求人数が圧倒的に多いからです。紹介される求人の選択肢が広がることで、よりあなたの希望にマッチした求人が見つかりやすいというメリットは、想像以上に大きいです。
具体的には、下記のような転職エージェントを利用しましょう。
マイナビエージェント・・・サポート力が高くホワイト求人紹介に定評がある。大手・中小の独自案件も多数保有。
doda・・・常時10万件以上の圧倒的な求人数の転職エージェント。サポート力も定評がある。
- リクルートエージェント
・・・NO.1の求人数や実績。良質な非公開求人を多く保有している。
type転職エージェント・・・首都圏のみだが、サポートの手厚さはトップクラス。首都圏
ならおすすめ
パソナキャリア・・・サポートの丁寧さが魅力で女性にも人気があるエージェント。求人数も多い。
Spring転職エージェント・・・アデコグループの転職エージェント。良質な求人も多数保有している。
JACリクルートメント・・・年収500万円以上の人におすすめ。外資系転職では欠かせない。
優秀なキャリアアドバイザーと出会うこと
ただし、大手の転職エージェントにもデメリットはあります。
大手の転職エージェントでは、利用者が多い分、キャリアアドバイザーの数も多くなり、経験値や能力に差があります。
そのため優秀なキャリアアドバイザーが担当に付いてくれるのと、経験の浅い担当が付くのとでは、満足度にもかなりの差が出てしまいます。
優秀なキャリアアドバイザーと出会うには、複数の転職エージェントに登録し、机上ではなくリアルな体験を元に比較することです。
優秀なキャリアアドバイザーが付いてくれれば、企業のリアルな労働環境など内部情報も詳しく調べてくれますし、何より応募企業の採用担当に、強力にプッシュしてくれます。
もし、あなたが面接で上手くアピールできない人なら、なおさら企業に売り込んでくれることがメリットになります。
優秀なキャリアアドバイザーは、連絡がスムーズで希望にマッチした求人を紹介してくれ、書類や面接などの選考対策が丁寧かどうかで見極めるようにすると良いでしょう。
反対に使えないキャリアアドバイザーなら、連絡が遅く、希望に合わない求人をゴリ押ししてきたり、選考対策を適当に済ませようとしますので、その差は誰でも感じられると思います。
そのような担当だったら、あなたに代わって企業にアピールしてくれることは期待できません。
そうならない為にも、しつこいようですが必ず複数の転職エージェントに登録しましょう。