外資系は求人も増加傾向で、「年収が高い」などのメリットが多く、人気があります。一方で「英語力が不安」「実力主義」など「自分に自信がある」人でないと転職先の選択肢から漏れてしまうことも多い傾向があるでしょう。
しかし、転職するからには「より良い条件」を勝ち取りたいのは誰もが思うところですから、初めから外資系を選択肢から外してしまうのは、もったいないです。
「興味はあるものの良く解らない」という人や、「外資系カッコイイし年収もアップしそう」と漠然と外資系への転職を考えている人に、ぜひ知っておいて欲しい内容ですので参考にしてください。
この記事では、
- 外資系のメリットとデメリットが解ります。
- 外資系への転職で成功する為のポイントが解ります
働きがい調査から見る外資系企業
Great Place to Workの「働きがい調査」によると、従業員1000人以上での働きがいのある企業トップ10は下記の表の通りになります。
Great Place to Work®は、「働きがい」に関する調査・分析を行い、一定の水準に達していると認められた会社や組織を各国の有力なメディアで発表する活動を世界約50カ国で実施している専門機関です。
順位 | 会社名 |
---|---|
1位 | ワークスアプリケーションズ |
2位 | アメリカン・エキスプレス |
3位 | Plan・Do・See |
4位 | ディスコ |
5位 | プルデンシャル生命 |
6位 | モルガン・スタンレー |
7位 | DHLジャパン |
8位 | 日本イーライリリー |
9位 | アビームコンサルティング |
10位 | 良品計画 |
トップ10の企業の内、赤文字が外資系企業です。
他のデータを挙げると、転職口コミサイトの「Vorkers」でも働きがいのある企業ランキングを発表しています。
こちらのデータでは、上位10位がまるで違う企業になっていますが、上位10社のうち5社が外資系企業になっています。
こういったデータは、調査方法によってもかなり差が出るものなので、全てを鵜呑みにすることはできません。ただ一定量の調査結果なので、外資系企業がどのくらいの割合ランクインしているかの参考にはなります。
外資系企業の割合
外資系企業には、はっきりした定義がありませんが、ここでは外国資本の比率のみで外資系企業の割合を解説します。
H26年の総務統計局の調査では、調査対象の1750071企業のうち、外国資本比率は下記の通りです。
- 0%・・・1587860社
- 0%超~10%未満・・・1646社
- 10%超~20%未満・・・675社
- 20%超~30%未満・・・391社
- 30%超~50%未満・・・592社
- 50%以上・・・221社
外国資本が少しでも入れば外資系企業というわけではもちろんないのですが「0%超~10%未満」を入れても、3525社でしかなく割合としては「0.2%」ということになります。
それにも関わらず「働きがい調査」では、外資系企業が上位にランクインします。このことからも「転職の満足度」が高い傾向が伺えます。
外資系転職の8つのメリット
では、なぜ、それだけ外資系企業が注目を集めるのか。なぜ「働きがい」があるのか。外資系企業のメリットを知ることで見えてくる部分があります。
- 給与水準が高い
- 実力主義で結果に応じて年収アップ
- 海外で仕事ができる可能性がある
- 語学力が身に着きやすい
- 主体性を発揮できる
- 勤務時間や服装の自由度が高い
- 上下関係が少ない
- 仕事とプライベートのオン・オフがはっきりしている
①年収が高い
外資系企業を転職先の選択肢の入れる人の中でも、「年収が高い」ことは大きな理由の1つでしょう。
もちろん、求められるポジションや、スキルによって年収は大きな差がありますが、日本企業と比べても平均して1~2割は高いと言われています。
②実力主義で結果に応じて年収アップ
結果を出せば、昇給・昇格は当たり前です。成果を出す人材・能力のある人材は、20代でも昇給・昇格をしていくことが多い為、結果を出せば入社後の年収アップがしやすいという特徴があります。
日本の多くの企業では、今でも年功序列型が多く、結果を出したからと言って、すぐに昇給・昇格といったことにはなりづらいことを考えると、成果を出してきた人にとって、また自信がある人にとって、当然のように外資系企業は転職先の選択肢になるでしょう。
また、日本企業のような男女差はなく、女性でも実力通りに出世ができるという点も見逃せません。
③海外で仕事ができる可能性がある
外資系企業は、海外にある本社や拠点への転勤のチャンスがあります。転勤ではなくても出張や出向など、当然ながら日本企業で勤めるより、仕事ができる可能性は高いです。
④語学力が身に着きやすい
企業によって、外国語を使用する頻度は違うものの、英語を使う場面が多いのも特徴です。顧客が日本人で同僚も多くが日本人の場合などは、それほど英語を使う機会がない場合もありますが、英語の書類を読む機会があったり、本国との連携の際には会話をする機会もあります。
勉強していても、なかなか身に着かない外国語も、仕事で頻繁に使うことで確実にレベルアップします。
⑤主体性を発揮できる
日本企業では「出る杭は打たれる」と言われるほど、独自のアイデアや行動は受け入れられにくい環境がありますが、外資系でも特にヨーロッパ系の企業では、上からの指示通りに仕事をするのではなく、自分の頭で考えて、成果を出すことを求められます。
日本企業と比べて、主体性を重んじてくれる場合が多く、思ったことを積極的に発言しやすい環境だと言えます。
⑥勤務時間や服装の自由度が高い
勤務時間にはフレックス制を採用している企業も多く、服装もカジュアルな服装が認められていることが多いので自由度が高いです。
日本でも増えつつはありますが、全体で見れば、ほんの一握りの企業のみですから、こういった自由な雰囲気は魅力的に映るのではないでしょうか。
⑦上下関係が少ない
もちろん、上司は上司ですし、直属の上司の評価いかんで昇格が決まることの多いのも外資系企業の特徴の一つです。
しかし、どちらかと言うとフレンドリーな関係が保て、ファーストネームで呼び合うことも。社長や役員などの偉い人とも会話する機会は多く風通しが良いのも魅力でしょう。
⑧仕事とプライベートのオン・オフがはっきりしている
特に欧米では仕事より家庭やプライベートを大事にする文化が色濃く影響しているので、日本企業のように長時間労働を好みません。どちらかと言えば、「仕事ができる人は残業をしない」という考え方です。
そのため、日本企業から転職した場合、有給休暇が取りやすかったり、休日出勤や残業が少なくなります。
実際は、企業によって様々
しかし、外資系企業だからと言って、全ての企業が、全てのメリットを持っているわけではありません。また、日本企業のほうが良い点も沢山あるでしょう。
外資系企業の転職を考える上で、大切なのは「企業研究」です。しかし、いくら調べても社風や職場環境などの情報は入手しづらいものです。
転職口コミサイトでも実際の社員の口コミを見れるサイトを利用しましょう。
などでは、実際の社員の口コミを見ることができますので参考になります。
転職エージェントを利用しましょう
上記のように、口コミを見るても参考にはなりますが、自力での情報収集には限界があります。一番の限界は「主観でしか見れない」ことです。
客観的な第三者の意見、できれば専門知識がある人からの意見が聞ければ、多いに参考になります。
また、仕事をしながら情報収集するには時間的な制約もあります。
給与がどのように上がっていくのか、社風やワークスタイルなど細かい情報を得るためには、転職エージェントを利用することのメリットが大きいです。
外資系企業特化のおすすめ転職エージェント
JACリクルートメント
外資や海外進出企業に強く質も量もグローバルポジションではNO.1。キャリアに自信がある方は登録必須の転職エージェント。
求人数 | 3 | 求人数非公開。売上高ベース業界3位だがハイクラス重視の為、求人数は中規模 |
求人の質 | 4.5 | 外資・海外、ハイキャリアにはとにかく強い。年収600万円以上なら利用価値は高い。 |
年収アップ率 | 4.2 | 非公開だがアップの可能性が十分。アップ額も期待できる。 |
サポートの質 | 3.3 | 550人のキャリアコンサルタントは業界・職種別のプロ。企業の内部情報にも精通。ハイキャリアでない利用者への対応は良くない。 |
提案力 | 4.2 | ハイクラスなのでマッチングの制度が良く提案力は高い。 |
得意分野 | 4.3 | 外資系企業や海外進出企業には大きな強み。エグゼクティブ、スペシャリスト。 |
拠点数 | ---- | 北海道・東北・九州以外の全国の大都市に配置。東京(神田神保町)・神奈川(横浜)・静岡・愛知(名古屋市中区) 京都(鳥丸)・大阪(梅田)・神戸(三ノ宮)・広島(中区) |
利用者の年齢層 | ---- | 20代約10%、30代約45%、40~44歳約25%、45歳以上約25%。ハイクラス求人特化の為、年齢層は高目。 |
売上ベースで業界No.3のロンドン発祥のエージェント。ハイキャリア案件を得意としている上、提案力にも強み。外資系企業を志望するなら、確実に抑えておきたい転職エージェントです。
他には、最大手で圧倒的な求人数と幅広い求人を誇り、外資系にも強い「リクルートエージェント」も登録しておきましょう
外資系転職の6つのデメリット
メリットもあれば、デメリットもあるのが当然です。人によってはメリットがデメリットになることも。
良い点ばかりではなく、悪い点も知っておくことが大切です。
- 企業文化の違いに戸惑う可能性がある
- 契約更新などリスクが高い
- 直属の上司に嫌われると出世できない
- 福利厚生が薄い
- 英語が使えるとは限らない
- 残業がないとは限らない
①企業文化の違いに戸惑う可能性がある
日本企業と外資系企業では企業文化がまるで違います。今まで常識だったことが、常識では無くなるカルチャーショックを受けることはあるでしょう。
人間関係もフラットでフレンドリーな分、率直な意見が飛び交います。きつい事を言われたと落ち込むようなタイプの人は、嫌になってしまうかもしれません。
日本のように曖昧な表現や態度では仕事に支障をきたす場合も。要望を明確に伝えないと理解してもらえないなど、今までの職場とは違ったコミュニケーションが要求されることが多々あります。
②契約更新などリスクが高い
期待に応える成果が出せなかった場合には、契約更新がされないことも。また、業績が悪化すれば成果を上げていたとしても契約解除になる可能性があります。
業績悪化に伴って日本市場からの撤退を決断することも。ビジネスに関してドライな分、「高給取りから、いきなり無職」なんてことも起こり得る事を知っておきましょう。
急なリストラなど当たり前な企業文化ですから、その分、「貯金をする」「副業を持つ」などの備えが求められます。
副業を認めている外資系企業は多く、実際にフリーランスで副業をしながら外資系に勤める人も多いです。仕事のオン・オフがはっきりしていて、時間が有効に使えるので、副業はしやすい環境です。
③直属の上司に嫌われると出世できない
日本の場合、直属の上司に人事権がない事がほとんどですが、外資系の場合、人事の決定権は直属の上司にあることがほとんどです。
その為、直属の上司には気に入られる努力をする必要があります。日本だと「気持悪い」と思われがちな「媚びる」姿勢も、外資系の場合は普通なことが多いです。
逆に、直属の上司に気にいられれば出世も早くなる点では、メリットでもあるかもしれません。
④福利厚生が薄い
外資系では、日本企業のような福利厚生は、ほとんど望めません。その分、給与に含まれると言っても良いでしょう。退職金や家賃手当など、普通にありますので、トータルで考えた収入を考える必要があります。
⑤英語が使えるとは限らない
「語学力を生かして外資系でグローバルな仕事がしたい!」と思う人もいると思います。しかし、外資系だからと言って、仕事内容によっては、ほとんど英語を使う機会がない場合もあります。
外資系日本法人の場合、スタッフの多くが日本人、顧客も日本人など、英語を使う機械が限られることも少なくありません。
管理部門や企画部門なら本国との連携があり、英語を使うことも多くなりますが、営業や販売など、相手が日本人の場合は、英語をほとんど使わないこともあります。
「英語を使いたい」と考えている場合は、あらかじめ実際の業務でどれだけ英語を使う機会があるのか、確認をしておくようにしましょう。
⑥残業が少ないとは限らない
基本的に外資系では、年俸制ですので残業代は出ません。その分、ドライに「残業代も出ないのに働くのはバカバカしい」と言わんばかりに、残業をしない文化はあります。
ただ、成果主義でもある為、成果のためには残業をせざるを得ない場合も。特に金融・IT・コンサル系には注意が必要です。
残業が少ないから外資系と思っている人は、事前にしっかり確認しておきましょう。
まとめ:TOEICばかり気にしないでチャレンジを!
この記事では、外資系への転職のメリットとデメリットを紹介しました。
総合的に考えて、外資系に向いているのか向いていないのか、判断材料の1つにしていただけたら幸いです。
外資系の転職は、TOEICの点数が高ければ高いほど選択肢が増えるのは事実です。特に、書類選考時点で、一定のラインを引かれるケースはあるので点数を気にすることも多いでしょう。
しかし、TOEICの点数が850点あっても、英語でのコミュニケーションができなければ、意味がありません。実際には、必要なのは点数ではなく、仕事で活かせるかどうかです。
あくまでも実際の職場で活躍できる人材かどうかが、企業にとっては重要です。また、大して英語を使わないケースもありますから、経験やスキル、人間性など総合力で優れていれば、英語力がいまいちだからと言って、諦める必要はありません。
TOEIC400点でも、実際に外資系で活躍している人はいますので、興味があれば、記事内でも紹介したJACリクルートメントなどの転職エージェントに話を聞くことをおすすめします。