「非公開求人」は、ハローワークやリクナビネクストのような転職サイトなど、求職者が自由に閲覧できる求人ではなく、通常人目に触れない求人ですから、秘密が多く怪しいと感じるかもしれません。
また、非公開求人は、良質な求人案件が多いと言われますが、本当なのかどうか、実態や嘘を知りたいと思う人も少なくないでしょう。
そこで、今回は非公開求人が本当に怪しいのかどうか、その実態を明らかにしていきたいと思います。
ごく、簡単に非公開求人の解説をしてから、本題に入りますので、随時読み飛ばしていただければと思います。
非公開求人が存在する理由
まず、どうして全ての求人が公開されず、非公開求人が存在するのかということを知っておきましょう。
- 選考のコストや時間を削減できる
- ピンポイントの人材確保をしたい
- 戦略的な理由で非公開にしたい
転職サイトなどの公開媒体だと応募が殺到することがあり、そうなれば選考には時間や人件費などのコストがたくさん発生します。
転職エージェントで非公開求人を依頼すれば、欲しい人材像にマッチした人材を選考するプロセスの多くを任せることができるので、その分のコストが削減できます。
転職エージェントの成功報酬も転職者の年収の約30%といわれる高い費用が掛かりますが、どうせ予算を使うならプロに任せたほうが良いという考えの企業は多いです。
また、公開求人の場合、同業他社にも求人していることがばれます。新規プロジェクトの人員確保など動きを知られたくないような場合も非公開求人ならリスクがないので、企業側にはメリットがあります。
非公開求人のメリット
求職者が非公開求人を検討するメリットは下記の2点です。
- 求人数が多いことで選択肢が広げられる
- 大手企業をはじめ良質な求人が多い
求人数の多い非公開求人を除いてしまうと、転職先の選択肢は自ずと限られてしまいます。良い転職をするには選択肢を増やして、可能性を広げていくことが重要です。
また、大手企業をはじめとする良質な求人案件の多くは、非公開求人になっていることが多いので、その意味でも非公開求人には大きなメリットがあるのは事実です。
非公開求人のデメリット
反対に非公開求人を検討する際のデメリットは下記の2点です。
- 全ての求人を閲覧できない
- 良質な求人ばかりではない
一方で非公開求人のデメリットは、求人全てを閲覧できず、転職エージェントから紹介された企業の中でしか検討できないということが挙げられます。
また、良質な求人ばかりではなく、人によっては不要な求人も非公開求人の中に存在しますので、良質な案件を紹介してもらえなかったときは「非公開求人が良質だなんて嘘」という感想になる人もいます。

非公開求人の実態は?嘘もある?
それでは、非公開求人が怪しいと感じている人のために、その実態やどんな嘘が潜んでいるのかを考えていきたいと思います。
非公開求人の質は本当に高いのか
実際に転職エージェントを利用した人の評判や2chなどで転職エージェントの評判を調べると、「ロクでもない求人しかない」「ブラックしかない」なんて声も決して少なくありません。
これは、「非公開求人は良質」ということが嘘なのかというと、それも違います。
良質な非公開求人を紹介してもらえるかは、経歴にもよりますし、そのときどきの保有求人と利用者の需要供給が関係してきます。
分かりやすくするために極端に言えば、優秀な人が良質な求人を紹介してもらえず、優秀でない人が想像よりはるかに良い求人を紹介してもらえることがあるということです。
優秀なAさんには良質とは言えないZ社の求人も、優秀な経歴を持たないBさんにとっては良質と言える求人だったりもします。
しかし、非公開求人だからといって、全ての求人が良質だということでは無いということは認識しておく必要があります。
非公開求人には空求人もある?
ハローワークや転職サイトには、「空求人」と呼ばれる求人が存在すると言われています。
とくに、ハローワークでは無料で求人ができるため、「良い人が来たら採用を検討する」といった程度の軽い求人も少なくなく、優良な案件があっても、選考には通らないという現実があるようです。
一方で転職エージェントでは、わざわざキャリアアドバイザーがマッチングした求人を紹介しますので、空求人を紹介されることは有り得ないと考えて良いです。
担当のキャリアアドバイザーにも、目標やノルマがあり、応募数や選考通過率、内定数などなど、様々な指標で会社の評価が決まります。
それなのに、そもそも選考に絶対通らないであろう企業をわざわざ紹介したりはしません。
しかし、非公開求人に空求人がないとは言い切れません。
非公開求人の中にも、「社名非公開」で部分的に情報を公開しているものがあり、その中には空求人が含まれている可能性はあります。
また、スカウトメールなどで名前の知れた大企業の非公開求人をリコメンドして「このような求人が他にもたくさんありあます」と求職者の目を引くことで、利用者を増やすといった宣伝を行っていることは否定できません。
また、求人が無ければそもそも成り立たない事業なので、企業に「とにかく求人を出してほしい」とゴリ押しし、採用の重要度が高くない状況の企業の求人まで利用者集めに宣伝しているという可能性もあります。
直接応募のほうが選考通過率が高い場合も
また、良く言われるのは、「書類選考に落ちたけど直接応募したら通った」とい感想です。
実際、直接応募できる企業なら直接応募したほうが選考に通過する可能性が高い場合もあります。
理由は、転職エージェントだと、応募が多い場合は社内で候補を選定して、落ちた人の選考書類は企業には渡らないケースがあるからです。
しかし、残念ながら自力応募できる求人は非公開求人ではないです。
転職エージェントの保有している求人、つまり紹介される求人すべてが非公開求人ではありませんので、その点は注意が必要です。
転職エージェントの保有する求人のうち8割程度は非公開求人ですが、残りの2割は公開求人ですし業種・職種によってはもっと非公開求人の割合が低くなることもあります。
また、転職エージェントは求人数自体が多く、リクルートエージェントのように20万件もの求人があれば、2割の公開求人だけでも、4万件という膨大な求人数になります。
リクナビネクストが1万件程度の求人数だということを考えれば、公開求人も多いということが分かるかと思います。
