保育士への転職で、面接時に必ずと言っていいほど聞かれるのが「転職理由」です。
しかし、多くの人は、本音の転職理由と、面接時に話す転職理由は違うものです。
このページでは、保育士の本音の転職理由と、面接時にどこまで本音で話して良いのか、どういったアピールが良いのかについて解説していきます。
保育士の転職理由(本音バーション)
厚生労働省の調査報告では、保育士の資格を持っている求職者のうち、約半数が「保育士での就職を希望していない」ということが解っています。
また、その報告では、保育士を希望しない理由も調査されています。
保育士に就きたくない理由ですから、本音にかなり近い退職理由と言ってもおかしくないですよね。
今回は、そのデータから本当の転職理由を確認していきます。
その理由の中で、退職理由になることを挙げていくと・・・
- 賃金が希望と合わない(47.5%)
- 休暇が少ない・休暇が取りにくい(37.0%)
- 就業時間が希望と合わない(26.5%)
- 保護者との関係が難しい(19.6%)
という感じになります。それぞれもう少し詳しく考えていきましょう。
給与が低くて希望と合わない
多くの保育士さんが、給与が低いという意見を持っています。
保育士は、子供を預かるわけですから、事故への不安もありますし、責任の重さを常に感じながら、大変な仕事をされています。
それでも看護師のように給与が高ければ、元々子どもが好きでホスピタリティのある人が保育士になっていることが多いので、転職しなくても済むのかもしれません。
保育士は、他の職種と比べて全般的に所得が低い傾向がありますが、働く保育所によっても格差があり、あまりにも低い給与で長時間労働をしている人などは、当然ですが不満が大きくなってしまいがちです。
休暇が少ない・休憩が取りにくい
保育施設が国から認可されている施設の場合、保育士の配置基準が決まっています。
保育士の先生1人あたりの子供の人数は厳守する必要があり、人手が足りていないと保育施設を運営するために充分な休暇を与えられないという事態が発生しています。
職員の配置を多めにして、余裕のある運営をしている保育所であれば、きちんと休暇も取れ、有給休暇もある程度自由が利きますし、グループ施設内で人員調整している保育所もあります。
しかし、多くの場合、保育士を余分に確保できる余裕がある保育所も少なく、また人手不足ということもあり、状況がなかなか改善されない保育所が多いのも実情です。
また、休憩時間も半数の保育所が「規定通り取れていない」という報告もあります。
休憩時間中でも、電話の対応や、子どもが何かあった時のために、園内で待機している必要があるところも多く、そうなると自由な休憩時間にはなりませんよね。
休憩をきちんと取りたいという希望があるのであれば、休憩時間の外出を認めている職場を選ぶことも大切です。
法律的には休憩時間は自由に利用できる時間です。外出禁止の時点でグレーゾーンなので、慎重に職場を探す必要があります。
就業時間が長い。希望と合わない
保育士は多くの場合、シフト制で勤務を行っています。
早番: 7時〜16時
中番: 9時〜18時
遅番:10時〜19時
というように、早番と中番と遅番を分けて長い開園時間をカバーしています。
しかし、シフト制でも残業があることも多く、しかもサービス残業なてところも少なくはありません。
人手が足りていないと、不意な長時間残業なども起こりますし、特に子育てと両立している保育士さんにとっては、労働環境的に厳しい場合が多くなってしまいます。
労働環境の不満が退職理由になる場合は、職員の人員調整など勤務体制をしっかり整えている施設を選定することが大切です。
保護者との関係が難しい
子どもの人数だけ保護者と毎日顔を合わせなければならない保育士の仕事は、施設内の人間関係より、保護者との人間関係に悩む人が多いです。
女性の多い職場、しかも少人数で密度が濃いため、施設内の人間関係も大変なはず。
にも関わらず、保護者との関係を退職理由に挙げる人が多いのは、それだけクレームなど保護者との対応に神経を使うということです。
しかし、保護者との関係は保育士にとっては切っても切れない部分でもありますので、対応術を身につけ、信頼関係を築いていくほかありません。
経験が長くなれば、慣れてきて活き活きと保育士生活を送れる人も多くいますが、慣れない人にはどうしても難しいということもあるかも知れません。
そういう場合には、もう少し視野を広げて、他の職種のことも考えてみると良いでしょう。
仕事は保育士に限った話ではありませんので、自分に合った職業を探すのも良いことです。その上で、いろいろ調べてみたけどやっぱり保育士でやっていきたいと思うのなら、また一段深まった決意になるのではないでしょうか。
面接時に本音で話してアピールする方法
面接時は、ある程度は本音で言うのも良いことです。
というのも、嘘をついている場合は、取り繕って建前を言っているのは、ある程度解ってしまうからです。
しかし、本音で言いすぎて、愚痴っぽくなってしまえば、採用したいと思う人は少ないですよね。
なので、本音である程度話せる内容で、かつ転職理由になるようなことを話すことをおすすめします。
施設の方針と自分の考えの違い
保育園によって、運営方針は結構違うものです。
なので、行きたい職場と自分の保育に対する信念が合っていることを確認できれば、前の職場では方針が合わず、工夫はしたが難しかったという退職理由が成り立ちます。
ただし、前職でどう工夫してきたか、努力してきたかという事を話す必要はあります。
また「自分の考えと違ったら辞めるの?」と思われないように、柔軟性があることもアピールしておきましょう。
人間関係が悪い職場の退職理由
人間関係で悩んで転職を考えている人は、「より良い環境で保育がしたい」という希望を伝える形にすれば良いでしょう。
前の職場では上下関係が厳しく、経験の長い人が経験の浅い人に命令をするような事があり、相談やディスカッションの中から、より良い施設にしていこうという雰囲気がありませんでした。
より良い保育を行っていく為には、日々感じた事をお互いに伝えあい同じ目的感を持ってチームワークよく働く事が大切だと思います。
貴園では、積極的に意見を伝えあい、ディスカッションを行っているという事を伺い、とても魅力に感じたため、今回応募させていただきました。
給与が低いという場合の転職理由
単純に、給与が安すぎて生活が・・・と言っても、どこの園でも給与がめちゃくちゃ高いということは期待できませんし、「前よりは良い給与だけど、そのうちまた不満に感じるのでは・・・」とネガティブに取られてしまう可能性があります。
そこで、給与賃金が低いことが退職理由の本音だった場合、適性な評価制度がある職場で働きたいという事に置き換えて考えてみましょう。
前の職場では、横並びの評価基準だった為、評価されることも無く、努力や工夫をする人が少なかったです。私は、より良い保育を行いたいとの一心で、行事の責任者や人が嫌がる雑務などを引き受けてきましたが、手伝ってくれる人が増えるどころか、仕事量が増えていくばかりで負担に感じてしまうことが増えてしまっていました。
皆でより良い保育をしていく為には、お互いに努力をしながら成長してけることが重要だと思い、貴園のような成果に見合った評価をされる施設で働きたいと思い退職を決意しました。
転職時には保育士専門の転職エージェントの利用がおすすめ
ここまで、保育士の本音の退職理由と、面接時に本音で話しながらアピールする方法を解説してきました。
しかし、一番大切なのは、あなたが不満に思って退職するまでに至った理由を、新しい職場で解消できるかどうかです。
また、退職理由になった事柄以外でも、実現したい希望はあると思います。
良い転職を実現する為には、あなたが満足できる職場をしっかり選定しなければいけません。
自力で転職活動を行う場合、労働環境などの詳細な内部情報を把握するのは難しく、求人票や募集要項などの公開されている文字情報を元に判断することになります。
しかし、それだけでは、実際に働いてみて思っていたのと違うというミスマッチが起こるリスクは避けられません。
保育士のエージェントは、希望や経歴のヒアリングを行い、希望に合った求人を紹介してくれますし、面接スケジュールの調整や給与・待遇交渉など、様々なサポートを無料で受けることができます。
保育所等から依頼を受け、求職者を紹介する仕事なので、保育所のリアルな内部情報を把握していますし、多くの保育士さんの悩みの相談を受けていますから、理解度も高く、親身になってサポートしてくれます。
自力では、いろいろと不安の多い就職活動ですが、客観的なアドバイスをもらいながら、いろいろとサポートしてもらえるので、負担を大きく減らすことができますので、積極的に利用するようにしましょう。
おすすめの保育士エージェント
おすすめの保育士専門の転職支援を行うエージェントは下記の通りです。
選ぶポイントは、求人数も大切ですが、それ以上に親身になってサポートをしてくれるエージェントかどうかです。
保育士ならではの悩みに丁寧にアドバイスをくれ、一緒に良い職場を探してくれるエージェントが理想的です。
その意味で、求人数とサポート力、提案力のバランスが良い保育士エージェントは下記の3社です。
担当に付くコンサルタントとの相性や能力によっても転職成功が左右される部分がありますので、リスクを避ける意味でも複数のエージェントに登録するようにしてください。
1位 マイナビ保育士
マイナビ保育士は、幅広い分野で転職支援サービスを行っているマイナビグループの保育士転職に特化した転職サイトです。
「マイナビ保育士」は大手だからこその、情報収集力の高さから、施設の運営方針や職場の雰囲気、残業時間の実態などの内部情報をしっかり把握している為、求人の数だけではなく、求人の質にも定評があります。
保育業界の転職事情に詳しいプロのキャリアアドバイザーが担当し、 年収アップが見込めたり、残業時間を減らせるような
好条件・好待遇の求人を希望条件に合わせて紹介してもらえます。
大手の強みを活かした人気企業や新設保育園の求人など、サイト上には掲載されない非公開求人を多数保有していますので、保育士の転職には外せない選択肢の1つになります。
地域的には、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県における保育園・保育施設の求人が豊富で強みがあります。
2位 ほいく畑
ほいく畑は保育士の転職支援で業界トップクラスの規模を誇る、保育士専門の転職サイトです。運営するニッソーネットは、自治体の委託を受けているほど、信頼性の高い企業なので、安心して利用することができます。
派遣だけでなく、正社員やパートの求人も取り扱っていて、約3000件の求人を公開しているほか、条件の良い優良な非公開求人も保有しています。
3位 保育のお仕事
月収25万円以上でブランクがあってもOKの求人や、時短勤務で時給1500円以上、賞与年4回で残業少な目の幼稚園、有給休暇消化率100%などの好条件案件も。
サービス満足度97%、月間4000人の保育士が登録している日本最大級の保育士・幼稚園教諭専門の転職支援サービスです。
非公開求人を多数保有していますので、タイミングが良ければ好条件の保育所、幼稚園への転職の選択肢が広がります。