派遣社員や契約社員など、「非正規雇用から正社員になりたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
このページでは、非正規雇用の現況と、正社員未経験の方でも正社員として転職できる方法を解説しています。
非正規雇用は4割弱
厚生労働省の発表した「非正規雇用の現状と課題」では、平成28年の非正規雇用の割合は37.5%となっています。
もちろん「計画的に望んで契約社員をしている」というパターンをはじめ、「主婦の方のパート」、「夢など、やいことがあるからアルバイト」「退職後の再雇用で契約社員や嘱託」といった特にネガティブな理由でなく非正規雇用を選択している人も沢山います。
しかし、本当は正社員で働きたいと思っているけれど、正社員での雇用先が見つからないと思っている人もかなりいます。
望んで非正規雇用を選択しているのであれば、問題ないでしょうが、非正規から本当は正社員にないたいと思っているのであれば、現状に縛られたり、流されたりせずに「転職」することを検討すべきでしょう。
もちろん、ハローワークなどで「正社員はなかなか厳しい」という判断をしたからこそ非正規社員の道を選んだのだと思います。しかし、諦めずに手を尽くせば正社員への道をひらくことはできますので、「本当に正社員になりたい」と思っている人は、諦めないようにしていただきたいと思います。
不本意非正規は非正規社員のうちの15.6%
派遣社員133万人(6.6%)、契約社員287万人(14.2%)と多く、中でも正社員として働く機会がなく仕方なく非正規雇用で働いている人「不本意非正規」の割合は非正規雇用労働者全体の15.6%(平成28年平均)となっています。
非正規雇用は、パート・アルバイトなども含むので、単純計算ではありますが、派遣社員と契約社員の中の15.6%で65万人が「不本意非正規」ということになります。
また、不本意正規を年齢別にみていくと下記の表のようになります。
年齢 | 割合(%) |
15~24歳 | 11.1 |
25~34歳 | 24.3 |
35~44歳 | 17.0 |
45~54歳 | 16.8 |
55~64歳 | 15.4 |
65歳以上 | 8.2 |
25~34歳までが一番多くの割合で不本意ながら非正規雇用で働いているということが解ります。
それより若い人が11.1%なことを考えると、若いうちは非正規でもOKと考えていたものの、将来への不安や正社員との給与や福利厚生の差を徐々に感じるようになるのではないかと推測します。
また、35~44歳くらいになると、若手よりさらに非正規から正規雇用への転換が厳しくなることから「不本意ながら」非正規で働いている人が一定割合いるのではないかと思います。
さらに上の年代ではリストラで退職した後、正規での雇用先がなかったパターンなども想像できます。
非正規から正社員の道は厳しいえ?
非正規雇用の状況を解説してきましたが、これが多いのか少ないのかはさておき、転職の達人としては、不本意であるなら、可能な限り尽くせる手は尽くすことをおすすめしたいと思います。
近年は企業の人材ニーズがある
ここ数年は、転職市場が活況を呈し、求人数自体が増加しています。業種や職種にもよりますが、求職者の売り手市場になってくると、企業側も希望の人材確保が難しくなっていきます。
買い手市場で企業側に選択権がある時代であれば、わざわざ契約社員や派遣社員の人を正社員にするより、正社員から正社員の転職を進めたほうが、リスクも少ないので、どうしても非正規雇用が割りを食ってしまう構図になります。
しかし、近年の転職市場の状況では、人気のある大企業はともかくとして、中小企業では「人材が足りない」という会社も意外と増えています。中小企業の場合、よほど業績が良く将来性があるなどの誰が見ても優良企業の場合を除けば、優秀な人材に応募してもらえる確率は低くなります。
そこで、正社員未経験で、現在契約社員や派遣社員をしている人材にも一定のニーズが生まれることになります。企業側からしてみれば、正社員で働いてきていない分、正社員としての「責任感や経験」が足りないリスクはあるものの人物本位で採用をすれば良い人材が確保できる可能性もあると考えられていると思われます。
未経験正社員に力を入れる転職エージェントも
そんな背景からか、「正社員未経験でも正社員になれる」ということを強みにした転職支援サービスが増えてきました。
これらのサービスの活性化は、契約社員や派遣社員から正社員で採用をしたいという一定の企業ニーズがある証拠でもあります。
通常の応募ルートでは、書類選考で落とされてしまう事が多くなりますが、転職エージェントでは企業のニーズとマッチしていれば推薦してくれますので、内定率も通常の転職活動と比べて高くなります。
ですから、契約社員・派遣社員から正社員への転職を本気で考えるなら、必ず転職エージェントを利用するようにしましょう。
非正規雇用から正社員への転職におすすめの転職エージェント
それでは、おすすめの転職エージェントを紹介していきます。
就職Shop
リクルートキャリアの運営する「転職Shop」は就職決定者の7割が正社員経験1年未満という、正社員未経験者や経験の浅い求職者に特化した転職エージェントです。フリーターの方も多く登録しています。
しかも、企業への応募時には書類選考はなく、面接から受けることができます。
指定の場所で面談を行い、求人紹介を受けた後に、模擬面接やセミナーまで用意されているので、余計な心配をする必要なく、転職活動を進めていくことができます。
利用者の約9割が20代なので、基本的には20代の方におすすめです。
面談場所は、現在のところ、銀座、新宿西口、立川、横浜、千葉、大宮、大阪、三宮、烏丸です。
ワークポート
ワークポートは、IT企業に特化した転職エージェントでしたが、今は総合型の転職エージェントへと発展しています。
中でも、未経験の転職に力を入れていて、古くからの企業とのパイプを生かした求人数も魅力の転職エージェントです。
とはいえ、IT・ゲーム業界に強い転職エージェントであることには変わりがありません。IT・ゲーム業界などは成長している業界なので正社員も不足している状況が続いているので、ねらい目の業界でもあります。
利用者の年代は、上で紹介した就職shopとは違って、40歳以下であれば、どの年代も同じような割合ですので、30代で正社員への転職を希望する人にもおすすめします。
ハタラクティブ
ハタラクティブは20代の既卒や第二新卒、契約社員や派遣社員、フリーターなどから正社員への転職に特化して支援する転職エージェントです。
にも関わらず、書類審査通過率91.4%、内定率80.4%と非常に優秀な実績を誇る転職エージェントでもあります。全く経歴に自信がない人でも安心してサービスを受けることができるのでおすすめです。