中高年での転職は厳しいと言われていますが、実際に自分に合った満足度の高い転職先を見つけ、転職に成功している人は沢山います。
年齢から来る不安もあるでしょうし、40代・50代は人によってキャリアに差がありますから、現実的に転職が厳しいケースも多々あるでしょう。
転職を安易に考えて転職活動より先に退職せず、自身のキャリアと転職先をしっかり見極めて慎重に決断していくようにしましょう。
このページでは、中高年の転職が厳しい理由と、40代~50代で転職成功する人と失敗する人の違いについて解説しています。
それぞれのタイプに合った転職サイト・エージェントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
中高年の定義は曖昧
まず、中高年と言っても、人によって定義が違う場合があるかと思います。年齢だけが転職成功の要素ではないので、ある程度ざっくりでも良いのですが、一応定義しておきます。
中高年は辞書では下記のようになっています。
- デジタル大辞泉・・・中年と高年。ふつう、40歳代以上をいう。
- 大辞林 第三版・・・中年と高年。普通、四五歳以上六五歳程度の人をいう。
それぞれ定義が違いますし、外の情報でもはっきりと「コレ」と言い切れるものはありません。辞書でも違いがあるのですから当然なのですが、曖昧な年齢層です。
当サイトでは、対象の人のニーズを考えると、40歳の人が「私は中高年だ」とは思わないでしょうが、「特に年齢的に転職が難しくなる」ことを前提に40歳以上と定義して解説していきます。
サイトによっては転職市場においては35歳~だと言われたり、40歳~と言われたりしていますが、30代の情報は、当サイトでも他のページで解説してありますので、ここでは触れません。
中高年(40代~50代)の転職が厳しい理由
40代以降の中高年の転職が厳しい理由は下記の3点です。
- 求人数自体が少ないから
- 未経験職種への転職が厳しくなるから
- 人によってキャリアの差が大きいから
求人数自体が少ないから
中高年になると、求人自体が若手とは比べて少なくなります。募集要項など表面的な面では年齢制限が書かれていないですが、企業の本音で言えば若手が欲しいという場合のほうが多いのが現実です。
法律上は、雇用対策法により、労働者の募集・採用時に年齢制限をつけることは原則として禁止されていますが、実際には応募可能なだけで、書類選考ですぐ落とされてしまうことが多くなります。
やみくもに応募しても本当に中高年でも採用するつもりがある会社を探すのは困難で、解りやすく「50代も活躍中」などと書かれた求人に応募する以外には非効率になってしまいます。
年収が大きく下がっても働き口があれば良いと思っているのであれば、問題ありませんが、あなたのキャリアを活かして良い転職をしたいと考えているのであれば、応募企業選びは慎重に行う必要があります。
未経験職種への転職が厳しくなるから
40代50代の中高年が20代の若手と比べて優位に立てるのは、豊富な経験と能力です。
そのため、安易に未経験職種にチャレンジしても、中高年の求職者は厳しい現実にさらされる可能性が高いです。
当然ながら、高いレベルで即戦力になる人材だからこそ高評価するのですから、未経験職種に転職したいというケースでは、今までの経験を活かせる根拠が必要になります。
高いヒューマンスキルや管理能力などがない場合、良い条件での転職は困難になるケースが多いです。
人によってキャリアの差が大きいから
中高年になると、エグゼクティブやスペシャリストといった、企業が欲しい能力やキャリアを持つ人と、そうでない人との差は大きくなります。
上位役職の経験までなくとも、マネジメント経験や高いスキルがある人ばかりではないでしょう。
その為、優れたキャリアがある人と無い人が、同じ土俵で戦っても、どういう結果になるかは火を見るより明らかで、キャリアに自信が無い人にとってもは、より転職が厳しくなるということが言えます。
40代以降は企業が採用しない?
企業の年齢構成上、最も不足しているのはやはり少子化の影響もある20代です。
中高年で良い転職が実現できるのは、求人する企業が求めるピンポイントの人材ニーズに応えられる人材です。
しかし、若手の採用が追い付かない企業も沢山ありますから、キャリアにそれほど自信がなくても全くのノーチャンスではありません。
しかし、条件面や仕事内容で希望がある場合は、やはり企業のニーズに合った、経験やスキルが無ければなかなか厳しいのは間違いありません。
40代以降でキャリアアップをしたいのであれば、やはり経験や能力を売りにできる同職種になるでしょうし、ある程度転職活動の期間にも余裕を持ち、じっくり転職先を探していくことが重要になります。
40代だから企業が採用しないという訳ではなく、求人自体も限られることや、企業の求める人材像が高い水準になることが多いという認識を持っておくようにしましょう。
40代以降の中高年の転職は、どこでも良いという投げやりな決め方はできないですから、あくまで慎重に行動をすることが大前提です。
40代~50代で転職成功する人と失敗する人の違いは?
冒頭にも書いたように、40代~50代の中高年層でも、自分に合った転職先を見つけ、転職成功している人は少なくありません。
それでは、転職に成功する人と失敗する人との違いは何なのでしょうか。それを知ることで、失敗を防ぐことができますし、どうやって転職活動を行えば良いのか明確になると思いますので参考にしてください。
- マネジメント経験の有無
- 市場価値を含めた自己分析ができているかいないか
- 社風や実際の労働環境も含めた企業分析ができているかいないか
- 中高年がすべき転職活動の方法が解っているかどうか
上では、40代~50代で転職成功する人と失敗する人の差を4点挙げましたが、それぞれについて解説していきます。
マネジメント経験の有無
40代以降で、その年代の人材を欲しいというからには理由があります。企業がピンポイントで希望するニーズに応えられる経歴や能力を持っている必要がある求人が多くなります。
マネジメント経験必須の求人案件の占める割合が多い40代・50代では、マネジメント経験がない場合でもそのポジションに相応しいと思われる経歴やアピールが必須です。
マネジメント経験も無く、専門的なスキルもない人の場合、転職失敗のリスクがあるということを認識しておく必要があります。
市場価値を含めた自己分析ができているかいないか
転職活動で自己分析を徹底的に行った人と、そうでない人とでは、転職後の満足度に大きな違いが出ることは明らかです。
特に、中高年の場合は、自己分析が転職成功と失敗を大きく分けるカギになる場合も多いです。
自己分析は、単に自分の強みや特性を分析するだけではありません。例えば「自分の市場価値がどの程度のものなのか調べる」「転職する理由と転職すれば実現できるのかを熟考」なども自己分析の1つです。
市場価値を知らないまま、むやみに応募した場合、市場価値より高い企業にばかり応募し選考に落ち転職先が見つからなかったり、反対に自分の価値より条件の悪い企業の内定に飛びついてしまうといったケースが考えられます。
社風や実際の労働環境も含めた企業分析ができているかいないか
企業分析は、選考時に企業の人材ニーズに合致したアピールをする為に欠かせませんが、単に内定を得られれば転職成功というわけではありません。
再度転職しようと思ってもなかなか厳しい中高年においては、転職後に後悔しても取り戻すことは難しいことです。
企業の人材ニーズを探るだけではなく、社風や実際の労働環境など、自分が満足できる企業なのかもしっかりと分析する必要があります。
それができていれば、内定を勝ち取れる確率を上げることもできますし、転職後のミスマッチを減らすことができ、満足度の高い転職を実現できる可能性も高めることができます。
中高年がすべき転職活動の方法が解っているかどうか
若手の転職活動では、企業の人材ニーズと多少のズレがあっても採用されるケースが多いですが、中高年の転職の場合、よりマッチ度が高くなければ、高い年収を支払って採用しようとは思いません。
ここまで解説してきたように、自分の市場価値を知り、自己分析を徹底的に行い、企業の人材ニーズや、内部情報を知らなければ転職成功は難しいと言えます。
しかし、それらの事は自力で行おうとしても、なかなか難しい事でもあります。
その為、中高年がすべき転職活動の方法を解っているかいないかは、成功と失敗の大きな分かれ道になりかねません。
転職の達人がおすすめする方法は下記の3点です。
- 転職エージェントを複数利用する
- 転職サイトも併用する
- より多くの企業に応募する
転職エージェントは、求人の紹介から書類対策、面接スケジュールの調整や面接対策など、転職に関する様々なサポートをしてくれる無料のサービスです。
自分の市場価値を知るきかっけにもなりますし、応募要項等では知ることのできない、企業の内部情報を知ることもできます。また、客観的なアドバイスももらえる為、1人で転職活動を進めるより負担が減ります。
ただし、中高年では選ぶ転職エージェントも若手より厳選していく必要があります。
というのも、転職エージェントの多くは、20代、30代をメインターゲットにしているからです。もちろん、求人の幅を広げるためには、より多くの転職エージェントを利用することをおすすめしますが、若手メインの転職エージェントでは、中高年層の求人が少ないため、利用を断られるケースも多くなります。
特にキャリアに優れた人で「転職エージェントに断られた」とネガティブになり、ハローワーク等でキャリアに見合わない転職先に決めてしまうようなことがあれば、もったいないことです。
下記は一例ですが、リクルートエージェントとJACリクルートメントの利用者の年齢割合を比較した図です。
リクルートエージェンとは幅広い年齢層に利用され、圧倒的な求人数を誇っていますが、年齢割合で見れば、40代以上の利用者はたったの6%しかいません。
一方JACリクルートメントでは、正確な数値は発表されていないものの、図を見るからに4割上が40代以上の年齢層なことが解ります。
JACは売上ベースで業界3位の転職エージェントですが、エグゼクティブや管理職経験者、スペシャリストなど、ハイキャリア・ハイクラスの求人案件を強みとしています。
若手には無い中高年層の強みを活かした転職をするには、中高年に合った転職エージェントを利用することが大切なのです。
一方、キャリアに自信がない中高年の場合、JACリクルートメントのような、ハイクラスに強みがあるエージェントでは断られるケースが多くなりますので、転職サイトも併用することをおすすめします
断られることがない転職エージェントもありますが、幅を広げる意味でも転職サイトも併用していくようにしましょう。転職サイトは、転職エージェントより質の面では劣る傾向がありますが、シニア歓迎の求人も掲載されていますので、より可能性を広げることができます。
その上で、1社ずつ応募して、その度に肩を落としているようでは、転職活動が進まないと覚悟することも必要です。
一喜一憂せず、より多くの企業に応募を重ねていくようにしましょう。
おすすめの転職サイトやエージェントもこのページで紹介していますので参考にしてください。
40代の転職成功率は?
40代以降の中高年の転職成功率も気になるかと思います。「単純にどの程度の割合が成功するの?」ということが知りたいかも知れませんが、「ただ転職先が見つかった」ということを知っても意味はないでしょう。
もしそうであるなら、厚生労働省の雇用動向調査では、離職率(会社を辞めた人の割合)と入職率(転職先に入社した人の割合)は、40代でも50代でも同じ程度の割合なので、何かしらかの仕事には就けていることになります。
しかし、実際には、「今までと待遇や年収などの条件を落とさずに」というような前置きがつくのではないでしょうか。
残念ながら、そこまで具体的なアンケート調査は見つかりませんでしたが、年収ということであれば、「平成29年上半期雇用動向調査」(2018年4月現在最新)では、下記のようにな調査結果になっています。(下図は雇用動向調査を参照し作成)
【年齢別】転職での収入アップ率
年齢 区分 |
増加 | 一割以上増加 | 一割未満増加 | 変わらない | 減少 | 一割以上減少 | 一割未満減少 | 増加-減少 |
40~44 | 44.1% | 35.4% | 8.7% | 31.7% | 23.6% | 6.9% | 16.7% | 20.5% |
45~49 | 28.3% | 21.7% | 10.4% | 39.4% | 30.6% | 8.6% | 22.1% | -2.3% |
転職により収入が増えた人は40代前半では35.4%、40代後半でも28.3%います。
家庭のことを考えると、大幅な年収ダウンは避けたいところでしょう。
統計上は、40代前半では75.8%の人が今までの年収以上の条件で転職していることが解ります。40代後半でも67.7%ですから、転職で年収ダウンする人はそこまで多くないということです。
40代以上での転職成功者数の割合
2007年下半期 | 2.9% |
2013年下半期 | 9.3% |
2014年下半期 | 12.2% |
2015年下半期 | 14.3% |
2016年下半期 | 16.2% |
2017年下半期 | 15.5% |
上の図は、転職支援サイト『doda』が調査した「転職成功者の年齢調査」にから作成したものです。
40代以上での転職成功者の割合は2007年から比べると、かなりの増加したことが解ると思います。
一昔前は、ただただ厳しいと言われていた40代以上の転職も、企業の中途採用の考え方の変化や社会情勢の変化などにより、成功できる環境になってきていることから、転職者自体が増えています。
40代以上の転職活動期間
下図のように、転職活動の期間は、若い世代より長期化する傾向にあります。
引用:エン・ジャパン
40代では約6割が3ヶ月以内で終わっている転職活動期間も、50代では3割程度になります。
ピンポイントでの人材確保が多くなる中高年層では、マッチした求人が常にあるとは限らないこともありますし、ある程度、長期化することを頭に入れた上で、慎重に転職活動を進めるようにしていきましょう。
40代以降の転職失敗パターン
40代以降の転職失敗パターンを挙げておきますので、先人に学び失敗しないように気を付けていきましょう。
主に挙げられる失敗パターンは下記のようなものです。
- 安易に退職してしまった
- 年齢のせいばかりにしてしまう
- プライドが高すぎる
安易に退職してしまった
前述したように、40代以上の転職活動期間は、若い年代と比べて長期化する傾向があります。
すぐに決まれば良いですが、そうでなければ失業保険でなんとか・・・と思っていませんか?
または、退職金が出るからしばらく生活には困らないだろう・・・なんて思っていませんか?
実際には、なかなか転職先が決まらなくても生活費は掛り続けますので、お金はどんどん減っていってしまいます。
1人ならまだしも、家族がいればプレッシャーも相当なものになることを想定しておかなくてはなりません。
場合によっては、離婚したなんていうケースもありますので、安易な退職は避けるべきでしょう。
今の職場で働きながら、転職先の内定をもらい、その後に退職するのがベストです。それなら、最悪思ったように転職が進まなかったときも、現在の生活を維持することが可能です。
転職活動が大変だからという人は、転職エージェントを積極的に活用して、転職活動のサポートを受けるようにしましょう。
転職エージェントでは、求人の紹介から面接スケジュール調整、選考対策や給与待遇交渉など多くのサポートを無料で受けることができるので、転職活動の負担を大きく減らすことができます。
年齢のせいばかりにしてしまう
「なかなか転職が決まらないのは年齢のせいだ」と思いこんでいる人は、転職に失敗しやすいです。
もちろん、40代以降の転職は若手のように、「人物本位の将来性を重視した採用」という訳にはいかず、企業の希望する能力を持ったピンポイントの採用になる為、簡単とは言えません。
しかし、年齢が高いから採用されないのではなく、企業のニーズに合っていないから採用されないということを理解することが大切です。
応募する度に、企業研究の精度を上げたり、選考書類や面接対策をブラッシュアップしていく姿勢があれば、40代以上といえども、良い転職先が見つかるはずですから、年齢のせいにはせず、前向きに転職活動を進めていきましょう。
プライドが高すぎる
ある程度のキャリアがある人は、この失敗に陥りやすいので注意しましょう。元の会社の評価と、応募先の評価は必ずしも同じにはならないことは、あなたが働いているところを直接見ているわけではないのですから当然ですよね。
「このレベルの仕事をしてきたんだから、このくらいの待遇で迎えてくれるだろう」と、条件を付け過ぎて、自らハードルを上げてしまっている事はないか自省することも大切です。
また、いくらキャリアがあっても、新しい会社では1から出直すくらいの新鮮な気持ちで臨めればより良い関係が築けるかと思います。
企業側も、プライドが高い人材より、経験豊富でも謙虚な人材のほうが、自社の環境にもスムーズに馴染んで活躍してくれるところを想像しやすいです。
中高年の未経験職種・異業種への転職成功は可能か
中高年でも職種の変更を希望する人は少なくありません。もちろん、あなた自身の決断ですので、どうしても未経験職種を希望するのであれば、誰にも止める権利はありません。
ただし、経験とスキルを活かした転職でない場合、年齢的にもかなり厳しい転職活動になるということは認識しておいたほうが良いでしょう。
また、異業種への転職の場合、職種が同じであれば経験を活かせる場合が多いですし、異業種から発想やノウハウを取り入れていきたい企業もありますので、未経験職種ほど不利な条件にならないことが多いです。
上の図は転職サイトdodaの発表した統計です。少し古いデータですが、未経験でも応募可能な求人割合はとても少ないことが解ります。一方で、異業種からの応募は可能な企業が5割程度あります。
また、別のデータでは、40代の転職成功者のうち28%が未経験職種へ転職をしているというデータがあります。
未経験可という求人ではなくても、未経験職種へ転職を決めている人が多いということが解りますが、決して楽観視できるわけではありません。
未経験職種への転職の多くは、販売職から営業職のように、ある程度前職のスキルを活かすことができ、かつ、需要が多い職種です。
まずは、どのような職種の求人であれば、未経験でも挑戦できるか、転職エージェントに相談してみるようにしましょう。その上で、実現可能性を探り、難易度に合わせた準備を行っていくようにしてください。
中高年からの転職を成功させる5つの方法
中高年の方が転職を成功する為の方法を解説していきます。
- 自分の置かれている状況を把握する
- 自身のキャリアに合わせた転職先を探す
- 転職可能性の高い業界で仕事を探す
- 中高年に強い転職サイトを利用する
- 正社員以外の道も検討する
1つずつ解説していきます。
自分の置かれている状況を把握する
まずは、転職市場の現況を知る事が大切です。まずは下記のデータを確認していきます。
上図は転職サイトdodaの「みんなは何歳で転職している? 転職成功者の年齢調査(2017年上半期)」のデータです。
近年30代後半から40代以降のミドル層と呼ばれる求職者にも注目が集まり、40代以降のビジネスパーソンを希望する企業も増加傾向にあります。
以前と比べれば、ずっと転職しやすい状況と言えますが、マネジメント経験やスキルの高いスペシャリストのように、豊富な経験を活かして即戦力で活躍できる人の求人が多いのも現実です。
そこまでの経歴を必要としない仕事の求人も無いわけではないものの、キャリアを活かすということが前提になる事は認識しておきましょう。
+キャリアを活かせば年収アップも可能
人によっても差がありますが、多くの人にとって重要なのは年収の増減ではないでしょうか。
【年齢別】転職での収入アップ率
「平成28年上半期雇用動向調査」によると、下記のようにな調査結果になています。(下図は雇用動向調査を参照し作成)
年齢 区分 |
増加 | 一割以上増加 | 一割未満増加 | 変わらない | 減少 | 一割以上減少 | 一割未満減少 | 増加-減少 |
40~44 | 36.8% | 21.8% | 15.0% | 29.0% | 33.6% | 9.7% | 23.9% | 3.2% |
45~49 | 37.9% | 27.5% | 10.4% | 29.6% | 30.8% | 6.2% | 24.5% | 7.1% |
イメージと比べていかがでしょうか。年代問わず、転職では収入が増減します。年収アップに比重を置いている人もいればいない人もいて、収入が減少した人が転職に失敗したというわけではない点はミソですが、45歳~49歳であっても、転職によって収入が増加した人が37.9%もいるのです。
反対に収入減少した人も30.8%います。
理由を推測してみると、1つは、年齢が高くても管理職の経験や高度なスキルなどが活かせる転職を決められれば、年収をアップできる。ということ。
もう1つは、ある程度の年齢になると転職するリスクも大きくなるため、転職しようとする人自体が少なくなること。そのため、請われて転職できる人が中心に年収アップを勝ち取っている実態があります。
反面、会社の業績やリストラなどの諸事情で転職を余儀なくされるケースは若い世代より多くなります。
自身のキャリアに合わせた転職先を探す
そのため、「経験やスキルを元に転職する人」と「リストラ等で退職する人」とでは、転職のしやすさにも大きな差異が出てしまうのも中高年の特徴と言えます。
しかし、どちらの場合も基本的に「自身のキャリアに合わせた転職先を探す」ことで転職成功の可能性が上がります。
中高年を採用する場合に企業が求めるのは、基本的には「経験が豊富で専門的な業務を任せられる」からです。
つまり、「企業が求める人材ニーズに高い精度で合致するか」が大きなポイントになります。そのため、エグゼクティブや管理職、高いスキルや経験値を活かせるのであれば、大きく年収を伸ばすことも可能です。
また、そこまで自信がないという人もいるでしょうが、基本的には「同業種・同職種」で、長年の経験を活かすことを考えるのが大前提になります。未経験の仕事を望む人もいますが、その場合は転職期間が長くなったり、年収ダウンは覚悟の上での転職となります。
転職可能性の高い仕事を探す
自身のキャリアに自信がない人の場合、同業・同職種でも転職先がなかなか見つからないケースもありえます。在職しながら転職を考えている場合は、じっくり同業種・同職種での転職を検討する猶予もありますが、リストラや退職してから再就職となると、じっくり探す猶予もないといった場合が多いでしょう。
そのような場合は、転職可能性の高い仕事を探していくことが重要になります。また、収入も減ることはある程度覚悟しておく必要があるでしょう。
具体的には下記の2点になります。
- 慢性的に人手不足が続いている業界
- 誰で覚えやすい比較的単純な仕事
サービス業や介護・看護、運送業、建設業などは、人手不足が続いています。昨今の人手不足と言えばITも挙げられますが、中高年で未経験ではまず仕事に就くことが難しくなりますからよほど理由が無い限り外します。
人手不足であれば、本来は若い年代を採用したいと考えていても、応募数が足りず中高年の人材を採用するケースもありますし、実際の仕事の現場では、豊富な社会経験が活かせて、重宝されることもあります。
また、製造業の軽作業のような、単純作業も比較的仕事を覚える時間が必要ない分、中高年が仕事に就きやすい側面があります。
40代以降におすすめの転職サイトを利用する
企業が40代以降を中途採用するケースでは、ピンポイントで経験・スキルを活かせるポジションや仕事内容を当然ながら即戦力として全うできる人材を求めています。
良いキャリアを送っている人にとっては、条件や待遇面で優遇される可能性も十分にありますが、反対に企業のニーズに沿ったキャリアが無い場合、別の企業ニーズを探らなくては転職成功を実現するのは難しくなります。
その為、40代以降の中高年が利用すべき転職サイトは、キャリアに応じて選択する必要があります。
下記にはキャリアに応じて転職サイト・エージェントを紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
キャリアに自信がある人におすすめの転職サイト
エグゼクティブなど、キャリアに自信のある人の場合は、高年収層の転職に特化した転職サイトやエージェントを利用するようにしましょう。ピンポイントの求人は特化した転職サイトでないと公開されていないことも多いので、必ず利用することをおすすめします。
登録の目安は、現在年収600万円以上です。500万円以下だと「紹介できる求人がない」と断られる可能性が高くなります。
JACリクルートメント
JACリクルートメントは業界3位の売上げ高を誇るハイクラス求人に特化した転職エージェントです。
外資や海外進出企業に強く質も量もグローバルポジションではNO.1。ハイキャリア案件を得意としている上、提案力にも強みがあります。
利用者の年齢層も8割程度が30代以降で、半数近くが経験豊富な40代以降だということからも、キャリアに自信があるなら、確実に抑えておきたい転職エージェントです。
キャリアカーバー
『キャリアカーバー』は、リクルートキャリアが運営する、ハイクラス転職に特化したヘッドハンティング型の転職エージェントです。
他の転職エージェントとは異なり、登録されている600名以上のコンサルタントの中から指名ができる点が有用なサービスです。
ハイクラス層は、一度の転職失敗がその後のキャリアに大きく影響することもあり、慎重に転職を進めることが大切ですが、希望業界や職種に強いコンサルタントを選ぶことで、入社後のミスマッチを軽減することが可能になるため、心強いサービスであると言えるでしょう。
また、登録して希望を記入しておくだけで、ヘッドハンティングのオファーが来ることがありますので、すぐに転職を決めたい人でなくても、高い条件で登録しておくことで思ってもみない好条件のオファーを受けられる可能性があります。
ビズリーチ
ビズリーチは、会員制のヘッドハンティング型のハイクラス求人に特化した転職サイトです。全てを利用するには、月額費用が掛かりますが、その分、外では見つからない求人が見つかると定評があります。
無料でも登録、利用ができますが、全ての機能を使うためには、現在年収が750万円未満の会員は「タレント会員」(2980円/月)、750万円以上の会員は「ハイクラス会員」(4980円/月)になります。
ビズリーチは、1300人以上の厳選されたヘッドハンターや人事担当者から直接オファーを受けられるサービスが特徴で、ハイクラス会員では上場企業の役員レベルの案件を多く保有しています。
普通のキャリアだと思っている人におすすめの転職エージェント
中高年層では、求人自体が少なくなる傾向がありますので、より多くの求人が集まる最大手の2社には登録しておくようにしましょう。
リクルートエージェント
『リクルートエージェント』は、約16.5万件(内非公開求人 約13.7万件)と、圧倒的な求人数が最大の特徴の転職エージェントです。
リクルートの知名度を活かし、企業との太いパイプがあり、多くの優良企業の第一選択肢として、豊富な求人が集まります。
利用者の年齢層からすると、40代以降の中高年は割合が少なく、向いていないと思う人もいるかも知れませんが、求人の絶対数が多いですし、リクルートエージェント独占の非公開求人も多数保有していますので、転職エージェントを利用する際は、必ず登録するようにしてください。
doda
『doda』は、リクルートエージェントに次ぐ業界2位のエージェントです。
利用者の転職満足度が高く、求人数もリクルートに匹敵し、サポートにも定評がある転職エージェントです。
利用者の年齢割合から見ても、40代以上でも25%の利用者がいますので、比較的中高年でも利用しやすい転職エージェントだと言えますし、利用者の満足度も高いのでおすすめです。
リクルートエージェントと同時に登録することをおすすめします。
登録拒否が無いと噂のSpring転職エージェント
Spring転職エージェントは、世界中で転職支援を行うアデコの運営する転職エージェントですが、面談を断ることがないと言われている転職エージェントでもあります。
世界中に展開するアデコの転職エージェントだけあって、外資系にも強みがありますし、良質な求人案件を保有しています。
全ての人が求人の紹介を受けられるとは限りませんが、面談時点で拒否されることがないだけでも、転職に関するアドバイスを受けたり、自分の市場価値を相談するだけでも価値がありますので、登録してみることをおすすめします。
キャリアに自信がない人におすすめの転職サイト
キャリアにあまり自信がない人の場合は、転職エージェントを利用しようとしても、断られるケースがあります。まずは、日本最大級の転職サイトリクナビNEXTから利用するようにしましょう。
- 求人数・転職実績が日本最大級
- 毎週新着・更新案件だけでも約2000件
- リクナビNEXTの限定求人が87%
- 転職する人の8割が利用
その上で、断られるか自分で判断せずに、転職エージェントに登録し利用してみることをおすすめします。登録するタイミングによっては、あなたの豊富な経験を活かせる求人がピンポイントで見つかる幸運なケースもありえます。
転職エージェントの場合は、基本的には、転職サイトより企業ニーズとマッチすることが重要になりますので、紹介できないと断られるケースは、若い世代より多くなるのは致し方ありません。
しかし、急な欠員で似たようなスキルがある人材を補充したいようなケースもありますので、利用できるものは利用するという精神で転職エージェントを活用することをおすすめします。
ただし、同じ中高年でも50代はエグゼクティブや管理職経験がなければ転職エージェントの利用は難しいかもしれません。
たくさんある転職サイトを一度に比較したいなら、下記の2つのページも参考にしてください。

