20代の転職では、未経験職種へのキャリアチェンジに興味のある求職者は約9割、実際に転職した人も3割以上というアンケート調査結果があるほど、未経験の仕事への注目度は高いです。
チャレンジしたい人が多い一方で、転職成功できるのか不安があるという人も少なくないでしょう。
そこで、今回は転職サイトで実際に求人が出されている「未経験歓迎求人」を職種ごとに調べてみました。
未経験者がチャレンジ可能な未経験歓迎求人が多ければ、それだけ未経験者が転職しやすい職種と言えるかと思いますので、ぜひ参考にしてください。
未経験でも転職しやすい職種は?
職種別の未経験歓迎求人件数と割合
職種 | 未経験歓迎求人 | 職種全体の求人 | 未経験歓迎の割合 |
---|---|---|---|
教育・保育・公務員・農林水産・その他 | 335 | 385 | 87% |
技能工・設備・交通・運輸 | 925 | 1072 | 86.3% |
サービス・販売・外食 | 911 | 1064 | 85.6% |
医療・福祉・介護 | 111 | 149 | 74.5% |
営業 | 1820 | 2579 | 70.5% |
事務・企画 | 1125 | 1672 | 67.3% |
クリエイティブ(メディア・アパレル・デザイン) | 277 | 424 | 65.3% |
専門職(コンサルタント・士業・金融・不動産) | 418 | 656 | 63.7% |
企画・マーケティング・経営・管理職 | 413 | 728 | 56.7% |
素材・化学・食品・医薬品技術職 | 136 | 264 | 51.5% |
建築・土木技術職 | 484 | 974 | 49.7% |
エンジニア(機械・電気・電子・半導体・制御) | 475 | 1187 | 40% |
Web・インターネット・ゲーム | 102 | 415 | 24.6% |
ITエンジニア(システム開発・SE・インフラ) | 319 | 1449 | 22% |
上記の表は、転職サイト「リクナビNEXT」で職種別に未経験歓迎求人を調べたものです。(調査日2018年6月25日)
職種の分類もリクナビNEXTの分類になっています。
あくまで、リクナビNEXTでの結果なので、他の転職サイトや転職エージェントを利用する場合に、必ずしも同様の調査結果になるわけじゃありません。
ただ、未経験歓迎求人の傾向を掴むためには、参考になるデータだと思います。
未経験歓迎求人の割合が多い職種は、未経験者でも転職しやすいと言えますが、割合も件数も多い職種が一番転職しやすいと思います。
未経験歓迎求人の割合だけ多い職種では、企業の選択肢自体は少なくなって、希望する求人が見つからない可能性があるということにも注意してみてみましょう。
営業
まず、目につくのは「営業職」です。リクナビNEXTでは、法人営業や個人営業、企画営業の他にもMRやテレマーケティング、キャリアカウンセラーなども含まれています。
未経験歓迎求人の割合では、70.5%で14職種中5位ですが、求人数はNO.1です。
企業の売上げに直接的な関わりのある営業職は、どの企業にも必要な職種ですから、常に需要のある職種です。
営業マンは十人十色で、口達者な人もいれば、口下手でも営業成績の良い人は沢山います。個性をや人柄を活かして顧客と関係を築いていく仕事ですので、経験者でなくてもチャレンジしやすい職種でもあります。
人とコミュニケーションを取るのが好きな外交的な人や、ポジティブな人が向いていると言われます。
ただし、問い合わせがあった顧客に対して営業する反響営業だと聞いて入ったのに、しつこいテレアポを要求されたり、執拗に飛び込み営業を掛けて売上を立てるようなやり方をしている企業の場合は、かなり大変です。
精神的に大変でない企業の場合でも、1日中飛び回って結構な体力が必要だったりします。
事務・企画
一般事務、営業事務から、財務・会計・経理・総務などの管理系職種、資材購買などの職種が含まれる「事務・企画」も、求人数があり割合も高いので、転職しやすいと言えます。
もう少し細かく見てみると、事務系職種でも一般事務や営業事務といったアシスタント系職種の未経験歓迎割合が87%とかなり高いです。
管理系職種については、未経験歓迎が半数程度なので、アシスタント系職種とは、転職のしやすさも結構違うだろうことが予想できます。
気を付けたいところは、事務系職種は求人数自体はそこそこあるものの、人気も高いという点です。
特に女性に人気のある職種ですが倍率が高くなることが多く「転職しやすい」と気楽に考えていると、転職活動が長引く恐れがありますので注意が必要です。
サービス・販売・外食
旅行・ホテル・航空・ブライダル、小売り・流通・外食・アミューズメント、美容・エステ・リラクゼーション関連などの仕事がある「サービス・販売・外食」の職種も、求人数があり割合も高いです。
新規出店などで大量採用などもありますし、イメージしやすい仕事が多いので、未経験者でも転職はしやすい職種だと言えます。
反面、休日数が少ないことの多い仕事も多く、離職率が高い職種でもあるので、どのような仕事なのかしっかり理解した上で、決断するようにしましょう。
技能工・設備・交通・運輸
整備や工場生産・製造・工事、運輸・配送・倉庫関連、交通関連、警備・清掃・設備管理関連などが含まれる「技能工・設備・交通・運輸」の仕事も、求人数があり割合も多いので、未経験者でもチャレンジしやすいです。
ブルーカラーの仕事になりますので、仕事によっては体力が必要な場合もあります。また、専門性の高い仕事もあるものの、誰でも覚えやすい仕事なことも多いので、チャレンジしやすい職種でしょう。
ホワイトカラー職種なら大企業は難しいという人でも、ブルーカラー職種の場合は大企業に勤めるチャンスは沢山あります。
福利厚生や企業の安定性などを考慮に入れると、向いている人には良い選択肢になるでしょう。
未経験職種への転職は20代後半は厳しい?
未経験職種に転職してもリスクが少ないのは年齢が若い20代のうちだけと言っても過言ではありません。
特に20代前半は第二新卒として、人物面を評価した採用になることが多く、経験が問われない求人も多数あります。
それでは、20代後半になると厳しいのでしょうか。
20代前半よりは少し厳しい
20代前半では未経験歓迎の、いわゆる「第二新卒枠」の求人が多数あるのに比べ、経験者との比較になるケースが多くなりますので、多少厳しい転職事情になります。
しかし、20代後半でも未経験職種への転職ができない訳ではありません。自分に合っていないと感じ充実できずに我慢しているのであれば、20代のうちに新しい仕事にチャレンジしたほうがいいとも言えます。
企業が20代を採用する際の一番の魅力は「若さ」です。即戦力にはならなくても、ポテンシャルを見て将来性を評価し採用を行っていますので、即戦力を求められる30代と比べて未経験職種へのチャレンジは容易です。
20代後半の未経験職種への転職で何が厳しいのかは、20代前半・後半の違いを知ると解りやすいです。
20代前半の転職の特徴は
- 経験やスキルよりポテンシャル重視
- 経験者も経歴が浅く差が出ない
- 未経験歓迎求人(第二新卒枠)が多い
20代後半の転職の特徴は
- ポテンシャルが重視されるのは前半同様
- 経験者との比較では経験者が有利になる
- 未経験歓迎求人だけでは選択肢が狭くなりがち
20代後半でもポテンシャル重視の採用といった意味では大差は無いですが、経験者との比較になると、人物面の魅力が同等ならば経験者が有利になります。
また、希望する職種によっては、実務経験が重視されることもあり20代前半と比べると選択肢が狭くなる傾向があります。
20代後半でも未経験職種へのチャレンジは十分可能
引用:doda
上の図はdodaが調査・発表しているデータですが、年齢別に「未経験職種」「未経験業種」の割合が解ります。
20代後半で、未経験職種への転職をした人の割合は「36.7%」です。20代前半の「48.0%」と比べれば割合が少なくなるものの、30代以降と比べれば、未経験職種に転職している人が多いです。
異業種転職=未経験業種については、同職種なら前職の経験を活かしやすい為、それほど不利になるケースは多くなく、特に厳しくないので安心してチャレンジしてください。