新卒(新入社員)で、3ヶ月や半年など、1年未満で転職をしても良いのでしょうか。
転職したいということは現状に満足していないということでもあります。
不満が大きいのであれば転職を考えたほうが良い場合が多いですが、新卒の場合、あまりにも短い経歴になってしまうというマイナスポイントがあります。
このページでは、新卒の転職事情や、どのように考えて行動したら良いのかが解るように、解説しています。新卒で会社を辞めたいと思ったら、ぜひ読んでいただければ幸いです。
新入社員が会社を辞める割合(新卒離職率)
まず、新入社員が、どの程度の割合で会社を辞めるのか見ていきましょう。
厚生労働省が発表する「新規学卒者の離職状況」では、平成28年の新卒の1年目までの離職率は下記の通りです。
大卒 | 11.8% |
短大 | 17.9% |
高卒 | 18.1% |
中卒 | 41.5% |
大企業は辞めない人が多い
さらに、事業規模が小さくなればなるほど、離職率は高くなる傾向があります。1000人以上の規模の会社で見れば、大卒者が7.3%、高卒者は10.2%と、平均と比べた場合、結構な開きがあることが解ります。
大企業のほうが、給与やボーナスに満足が行くケースも多く、会社の将来の不安が少ないこと、または世間体やイメージの問題もあり「辞めるのはもったいない」と思う人も多いのではと推察されます。
反対に、社員が10人未満など小規模になればなるほど、たった1年でも離職する人の割合が多くなります。
平均が11.8%の大卒でも、5~29人未満の事業所では22.3%、5人未満の事業所に至っては28.9%も会社を辞めてしまいます。
新卒(新入社員)の退職理由
新入社員の退職理由はどのようなものなのでしょう。人それぞれという面も大きいですが一例をあげてみます。
- 想像より仕事がきつかった
- 給料が安く待遇が悪い
- 上司や同僚との人間関係が悪かった
- 会社の将来に不安があった
- 他にやりたい仕事があった
「想像より仕事がきつい」というのは新入社員ではありがちです。学生時代から社会人になると、責任の重さがまるで違いますし、給与をもらっている分、厳しく言われる機会も多くなります。
ただ、厳しいだけなら我慢できても、納得のいかない理不尽な事を言われるケースも多くなります。
我慢の限界にきていれば別ですが、まだ我慢はできる状態であれば、もう少し様子を見ても良いのではないでしょうか。仕事は1年目では楽しさが解らないことが多いです。
2年3年と年数が増すごとに、信頼も増え任される仕事にも変化が出てきます。その頃になると一定のビジネスマナーも身に付きますし、優秀な人であればキャリアアップも可能になります。
また、優秀とは言えないという人でも、転職自体は求人も多く、転職先が見つかりやすいです。
反対に、新卒から半年や1年未満など、あまりに職歴が短い場合は、企業も「また辞めるのでは?」と心配になりますから、それを払しょくできるだけの理由がないと良い転職はしづらいのも事実です。
新卒でもすぐに辞めたほうが良い場合も
我慢できるような状況であれば、転職する上でマイナスポイントになるのを避ける為に最低1年は我慢してみるのも1つの決断です。しかし、下記の場合は、すぐにでも辞めることを考えたほうが良いでしょう。
- ブラック企業だったケース
- 心身が疲弊しきっている
ブラック企業だったケース
どの程度まで我慢すれば良いかの基準は曖昧ではありますが、はっきり解る程度にブラックな企業に入社してしまった場合、今でなくても、いずれ転職するケースが多くなります。
周囲は反対する人も出てくるでしょうが、貴重な人生の時間を無駄にしない為にも早目に決断することが必ずしも悪いとは言い切れません。
ブラック企業といってもあいまい過ぎるので具体的に下記に当てはまる場合は新卒といえ転職を考えて良いでしょう。
- 違法な長時間労働・時間外労働が顕著な場合
- パワハラ・セクハラなど違法がまかり通っている
- サービス残業など時間外労働の手当が出ない
- 仕事内容がグレーまたは違法
単純に労働基準法に抵触するといった話ではありません。世の中を見渡せば、許されるわけではないものの、労基法に抵触する企業はゴマンとあります。
正当な権利を要求したり、それが叶わないから会社を辞めるという決断自体は否定できるものではありませんが、かえって損をしてしまうケースもあるので慎重に考えるようにしてください。
例えば、長時間労働などは、業界によってはまだまだ当たり前という認識がまかり通っていることもあります。他の仕事でも良い場合は転職すれば改善しますが、その業界でどうしても仕事をしたい場合、現状我慢しなければならないといったケースもあるでしょう。そういった場合は、同業他社の実態を認識することが必要になります。
新卒で半年や1年未満など、すぐに会社を辞めることは、一定のリスクがあります。そのリスクと天秤にかけてみることが大切です。
つまり上記のようなブラック企業の傾向があったとしても、目をつぶれる範囲であれば我慢したほうが良いケースもあるということです。
特に、新卒の場合、社会経験がないために、学生時代との理不尽なギャップにさいなまれることが多いです。ある程度慣れることで解消する問題や、上司に相談して解決できる問題も多くあります。
上記のケースは改善できないことも多いですが、「解決できない」+「我慢できるレベルではない」場合は、新卒半年でも1年でも、早い決断をしたほうが良いでしょう。
心身が疲弊しきっている
うつ病や、精神から来る身体の病気、または過酷な労働により体を壊してしまうといったケースもあります。
そうなってから転職をしようと思っても、モチベーションもないですし、次の会社も健康でない人は採用できません。さらには会社を辞めてからの転職活動になり、焦って転職先を探さなくてはならなくなります。
つまり、そういった兆候があるのであれば、すぐにでも決断するようにしてください。自分では判断がつきづらいことではありますが、「このまま会社にいたらおかしくなる」と思い続けているようなら危険性が高いかもしれません。
また、動けるうちに、転職先を探して納得がいくようであれば早い段階で転職を決断しても良いでしょう。
新卒の転職タイミングは?
「今がタイミングだから」という理由で転職する人はほとんどいないのではないでしょうか。
簡単に転職の決断をできる人は少ないはずです。その中でそれでも転職しようと考え行動を起こすのですから、転職は「したいと思った時がタイミング」なのかもしれません。
しかし、新卒で半年や1年未満での転職はデメリットが存在します。
企業側は「我慢ができないのでは?」「また辞めるのでは?」「健康に問題があるのでは?」などなど、心配しなければいけないことが多くなります。
それらは面接で、ある程度は払拭することができますが、半年などあまりにも短い経歴の場合、マイナスに受け取られてしまうことも十分考えられます。
また、雇用保険の加入が1年未満の場合、失業保険の受給対象にならないことも大きなデメリットです。また、会社の規定によるものの、退職金が出ないケースがほとんどでしょう。
そういったことからも今の仕事をしながら、転職先を探すのがベストです。実際に転職活動をしてみれば、どの程度の会社に転職できそうかも徐々に解ってきます。
企業側からしたら、職歴が1年未満でも一年経過していても大差はありませんし、どちらもやる気や人物重視のポテンシャル採用になるでしょうし、どちらが有利なタイミングということでもありませんが、1年というのは区切りになりますのでタイミングとしては良いかもしれません。
第二新卒は需要がある
はっきりした定義があるわけではありませんが、入社3年目までの若手は第二新卒と言われます。
新卒よりも社会の最低限の経験をしていてビジネスマナーも身についていますし、まだフレッシュで勤めていた企業のカラーに染まっていることも少ないです。
企業側としては、新卒と同様に将来性もありながら、社会の基本から教える必要はなく、実務から覚えてもらえることがメリットになります。
どんな会社でも一定数離職者が出ますので、人数を補充するのにはうってつけということで、求人も豊富にあります。
今の仕事があっていないと思い悩んだり、労働環境や人間関係で辛い思いをしているのであれば、早目の転職が人生のプラスになることは決して少なくないことです。
新卒におすすめの転職サイト
リクナビNEXT・・・求人サイトではNO.1。8割の人が利用する転職サイト
doda・・・求人数が多くサポートが厚い転職エージェント
マイナビエージェント・・・20代に強い転職エージェント
ハタラクティブ・・・第二新卒や若手に特化している転職エージェント
「すぐに辞めたからダメだ」とマイナスに考えすぎず、積極的に行動していくことが転職成功のカギになりますので、なるべく多くの転職サイト、エージェントに登録して、選択肢を広げていきましょう。
第二新卒については、下記のページも参考にしてください。

また、あまりに短い経歴のまま会社を辞めた場合に第二新卒とみられるか、フリーターとみられるかは、企業によっても違います。
大学を出て、しばらくフリーターをしてた「既卒」とよばれる人たちと同様に扱われるケースもありえます。もちろん、正社員経験があるのとないのとでは大きな違いがありますが、可能性としては考えられますので、第二新卒におすすめの転職エージェントを利用して、いまいち紹介してもらえないと感じた場合は、下記のページも参考に転職活動を進めていくようにしましょう。
http://cefngwlad.org/freeter
まとめ
大卒の新卒1年未満での離職率は11.8%。中でも従業員の少ない企業ほど離職率は高くなります。
新卒の離職理由は下記のようなものです。
- 想像より仕事がきつかった
- 給料が安く待遇が悪い
- 上司や同僚との人間関係が悪かった
- 会社の将来に不安があった
- 他にやりたい仕事があった
社会は理不尽なことも多く、学生時代とのギャップに苦しむことが多いです。
新卒でも辞めたほうが良いケースは入社した企業がブラック企業だった場合と、心身に異常を感じている場合。それ以外は、問題が解決していく可能性があるなら、様子を見ることも大切です。
新卒の転職タイミングは、基本的にはありません。ただ1年未満で辞めると失業保険の給付がありませんので、もう少しで1年経つという場合は、その間我慢したほうが良いかもしれません。
それ以外では「転職したいと思った時がタイミング」と言えるでしょう。いずれ辞めるのであれば、積極的に行動していきましょう。ただし、勢いで辞めてしまうと後悔する可能性もありますので、できれば今の仕事をしながら転職先を探すようにしましょう。
新卒より社会人経験がある第二新卒には多くの需要があります。転職サイトや転職エージェントを積極的に利用して、選択肢を広げながら、納得のいく転職にしていきm