昇給しない会社に勤めていて、辞めたいと思っている人は少なからずいると思います。
また、転職して年収アップを勝ち取ったと思ったけれど、いろいろ詳細が解ったら昇給なしの会社だったことが判明して後悔するケースも残念がら少なくありません。
昇給しない会社は辞めたほうが良いのか、転職時に後悔しない為のポイントなどを解説していきます。
平均の昇給額
厚生労働省が発表している「賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」では、定期昇給の額面平均は5,176円(1.9%)というデータがあります。
昇給額を企業規模別に見ると・・・
- 5,000人以上・・・5,683円
- 1,000~4,999人・・・5,464円
- 300~999人・・・5,319円
- 100~299人・・・4,482円
となっており、規模の小さい企業ほど昇給額が低いのが解ります。
規模が小さい企業が儲かっていないとは限りませんが、平均的にみると、規模が小さい会社は賃上げすれば利益を圧迫してしまう為、賃上げできないといったケースも多いです。
また、業種によっても違いがあります。これは業界の景気なども関連しているでしょうから当然のことですが、一番昇給額が多い建設業が7,986円なのに対して、医療福祉、サービス業、生活関連サービス、娯楽業、運輸業などは4,000円程度の賃上げに留まります。
※平成28年は金融業、保険業が2,494円と少なかったようですが、通常は7千円代の賃上げをしています。
昇給しない会社ってどんな会社?
前章では平均的な昇給額を解説しましたが、それでは何故昇給しない会社があるのでしょう。
そもそも法律では昇給しなくてもOK
法律上は、必ずしも昇給しなくてはならない規定はなく、定期昇給制度が無いという会社も少なくはありません。
人件費は固定費ですし企業の支出の中でも大きな割合をしめるため、利益を圧迫しかねません。その為、定期昇給はせず業績に合わせてボーナスで還元する企業もありますし、それすら無いケースもあるのです。
どのくらいの企業が定期昇給をしないかというと、企業全体の24.1%もの大きな割合です。また、企業規模が小さい会社ほど、昇給がないのではと思いきや、5000名以上の企業の31%が定期昇給制度がありません。(100~299名の企業でも25.2%)
昇給しない会社は辞めて転職したほうが良い?
昇給しないからといって、必ずしも転職すべきとは言えません。結局は本人がどういう人生を送っていきたいかによって違いがあると言えます。
お金は少なくても、やりがいのある仕事に従事しているのであれば満足だと言う人だっていて当然です。
しかし、経済的なことだけに目を向けた場合は、辞めたほうが良いというのが答えです。
10年も20年も勤めてから給与が変わっていないことを想像すれば、一気にモチベーションが上がらなくなると思います。
企業によっては、順調に役職がついていけば定期昇給が無くても高い年収になっていくような賃金体制をとっている場合もありますが、それもないとなれば、20代でも30代でも給与が変わらないといった事態になります。
長い目で見た時に、かなりの経済的損失を被ることになりますので、なんとなくその会社に居続けることはリスクでしかありません。
転職時には気付かなかったけど昇給しなくて後悔する人も
転職時に提示された給与で現状満足が行くからといって、将来的に不満が出ないかというとそうではありません。
例えば、現在年収より高い年収の企業に転職すれば、そのときは満足です。
しかし、5年後も10年後も昇給しない会社だと解ったらどうでしょうか。
実際にそのような事態になって、前の会社に戻りたいと後悔している人も残念ながら少なからずいます。
転職時には「昇給しない」かどうかだけではなく、5年後、10年後の年収やポジションについてのモデルケースをしっかりと確認するようにしましょう。
転職は目先の不満から逃れる為に行いがちですし、そうなりがちなのは仕方ない面もありますが、中長期的な視野はとても大切です。
転職してから後悔しないように、あらかじめ企業の情報を集めるようにしましょう。
しかし、お金のことの確認は、企業に直接するのは難しいものです。面接などの選考の現場でいきなり聞けば、内定が取れたものを落とされるのではないかと不安にもなるでしょう。
そんな不安も、転職エージェントを利用していれば、一発で解決します。
転職エージェントは求職者が企業に入社して始めて報酬を得られるので、聞かれていない不都合な事については答えないなんて場合も想定できます。
しかし、「入社時の年収だけでなく、昇給の制度がどうなっているのか知りたい」「5年・10年と在籍した場合のモデルケースを知っておきたい」などと伝えさえすれば、持ち得る情報を提示してくれますし、詳細な情報を保有していなくても企業に問い合わせしてくれます。
重要なことなので、必ず確認するようにしましょう。