転職エージェントを利用する際は、1つだけでなく複数登録するのがベストです。
「1つに絞らないと利用する転職エージェントに失礼なのでは?」という意見もあるようですが、一切気にする必要はありません。
転職は人生の中でも大きな分岐点です。基本的に、転職活動中は「あなたにとってより良い転職にすること」を最大限に考えるべきです。
転職エージェントを利用して転職活動をする人のうち、多くの人が複数のエージェントに登録していますので、安心して複数のエージェントを利用するようにしてください。
このページでは
- 転職エージェントを複数登録するメリット・デメリット
- 複数登録する転職エージェントの選び方
- かけもちで利用する際の上手な使い方
- 複数利用で注意したいポイント
が解ります。是非、転職エージェントを利用する際の参考にしてください。
転職成功者は転職エージェントを何社利用している?
まず、みんなが何社程度の転職エージェントを利用しているのか見ていきましょう。
出典:リクナビNEXT
上記の画像のように、転職に成功している人の転職エージェントの利用社数、言い換えれば掛け持ちしている数は、平均で4.2社です。
多い人では10社以上の転職エージェントに登録する人がいるほど、掛け持ちで利用するのは常識的なことです。数多く掛け持ちすることでの煩わしさやデメリットを考慮しても、最低平均の4社程度は利用することをおすすめします。
それでは、なぜ複数の転職エージェントを併用することが望ましいのか、メリット・デメリットを挙げながら解説していきます。
複数の転職エージェントを掛け持ちするメリット
複数の転職エージェントを同時に掛け持ちすることで得られるメリットは下記の通りです。
- 質の高いキャリアアドバイザーに出会える
- 求人案件の選択肢が広がる
- 特長の良いとこ取りができる
- 自分に合った転職エージェントを利用できる
質の高いキャリアアドバイザーに出会える
転職エージェントを利用すると担当のキャリアアドバイザーが求人紹介やサポートをしてくれます。
そのキャリアアドバイザーが優秀で相性も良ければ、それだけ良い転職ができる可能性が高くなります。反対に能力が低かったり、相性が悪い担当になってしまった場合は、厳しい結果になるという側面があります。
複数の転職エージェントを掛け持ちすることで、良いキャリアアドバイザーに出会える確率を上げることは転職エージェントを利用する上でも重要なポイントです。
また、転職エージェントを併用するということは、複数のキャリアコンサルタントと接点を持つことができるということもメリットです。
多くの人数のコンサルタントと話すほうが、1人のコンサルタントと話すより、自分の市場価値も客観的に見ることができますし、キャリアコンサルタントそれぞれの視点からアドバイスがもらえます。
求人の選択肢が広がる
転職エージェントが違っても同じ案件を紹介されることもありますが、それぞれの転職エージェントにしかない「独占案件」も多数あります。
複数の転職エージェントを利用することで、より多くの選択肢の中からマッチングしてもらえることになりますので、より大きなメリットを受けることができます。
また、転職エージェントは経歴や希望条件でマッチングしてくれる反面、選択肢が限られるというデメリットがあります。掛けもちで利用することで、単純に案件紹介の絶対数が多くなり、それだけ可能性を広げられるということができます。
特長の良いとこ取りができる
各転職エージェントには、それぞれ特長があります。大手は求人数が多く総合的に多くの業界をカバーしている反面、1人のキャリアコンサルタントの対応する転職希望者の数が多かったり、経験の少ないキャリアコンサルタントが多くなる傾向があります。
1人あたりの抱える転職者が多ければ多いほど、サポートが弱くなりますし、適当な求人を紹介して来るキャリアコンサルタントも出てきてしまいます。
また、経験が少ない事で、業界に関する知識が浅く情報が不足していたり、まともな面接指導ができなかったりとデメリットが大きくなります。
反対に、中規模の転職エージェントや業界特化型エージェントは、求人数は少ないものの、特定の業界に強かったり、経歴書や面接指導に優れたコンサルタントが揃っている事を売りにしていたりと、大手の弱いところを逆に強みにしている事で差別化を図っている場合がありますので、それぞれに利用する価値があります。
自分に合った転職エージェントを利用できる
実際には、登録した全ての転職エージェントを継続的に利用するわけではありません。
担当のキャリアアドバイザーが優秀で相性が良く、納得のいく求人紹介をしてもらえた転職エージェントがあれば、そこを中心に利用することになります。
1つの転職エージェントに登録して判断するより、複数の転職エージェントを実際に利用して比較してみれば、自分と相性の良い転職エージェントが明確になっていきます。
結果として、より良い転職を実現しやすい環境を整えることができます。
転職エージェントに複数登録するデメリット
- キャリアカウンセリング(面談)が面倒
- 応募や面接などの日程調整が面倒
キャリアカウンセリング(面談)が面倒
転職エージェントに登録すると、キャリアカウンセリングという面談を行うことになります。面談では転職理由や経歴や希望の条件等々のヒアリングが行われます。
わざわざ転職エージェントの拠点へ出向かなくてはならないですし、毎回似たようなことを聞かれるので面倒くさいというのは否めません。
一社ずつ登録する場合は、面談までのタイムラグもあり、時間をロスしてしまうというのもデメリットです。
おすすめは一度に数社登録してしまい、同じ期間に面談を済ませてしまうことです。多少煩わしい部分はありますが、理想の転職を実現していくためには必要なことでもあります。
応募や面接などの日程調整が面倒
1社のエージェントだけなら、特に問題ないですが、複数を利用した場合は、それぞれのキャリアコンサルタントとやり取りをしなくてはなりませんし、スケジュール管理はより煩雑になります。
ただ、転職サイトから、自分でどんどん企業へ応募した場合もスケジュール管理は煩雑になりますし、全て自分で管理する必要があります。転職活動では付き物だと思えばそれほどのデメリットではありませんし、転職エージェントがスケジュール交渉をしてくれる分、負担はそれほど重いわけではありません。
また、複数の転職エージェントで面談を行った後、相性の良い転職エージェントに絞っていけば良いので、実際に継続利用するエージェントはせいぜい2~3社程度です。
転職エージェントを複数利用する際に注意したいポイント
転職エージェントを複数利用する際、注意しておきたいポイントが5つあります。
複数利用はきちんと伝える
複数の転職エージェントを利用する場合は、掛け持ちしていることをキャリアコンサルタントに話すようにしましょう。
たとえば同じ案件を紹介されるケースも考えられますが、他社を利用していない前提で勧めてもらったにも関わらず断ってしまえば、キャリアコンサルタントしても同じような案件を紹介しても断られる可能性が高いので勧めてこなくなります。
掛け持ちしていることを伝えておくことで、「他社エージェントで同じ案件のお話をいただきました」と伝えることができ、キャリアコンサルタントも近い企業を紹介しやすくなります。
今どき、転職エージェントの掛け持ちは普通のことなので、コンサルタントも驚きません。
それどころか「他社以上の優良な企業」を紹介しないと自社から転職先を斡旋できなくなる(=売上・成績が上がらない)可能性がありますので、よりスピーディーに良い企業を紹介される可能性も高まります。
自社から入社してもらえなければ、売上にはならないのですから当然のことだと言えます。
もちろん、キャリアアドバイザーの心象が悪くならないように、あくまで丁寧に感謝の気持ちを伝えることが大切です。
「より良い条件の企業を探さなければ他社に取られてしまう」という心理は働きやすいと思いますが、掛け持ちしている事を利用して煽るようなことをすれば、キャリアアドバイザーのモチベーションをそいでしまいまい対応の悪化を招く可能性もあります。
同じ求人案件への応募はNG
複数の転職エージェントで同じ企業の求人案件を紹介された場合でも、複数のエージェントから重複する応募はNGです。
転職エージェントと企業との間でトラブルになる可能性が高く、双方ともに心象を悪くするだけです。その企業だけではなく、次から良い企業を紹介しづらくなってしまうデメリットもありますので、絶対に重複の応募は避けるようにしましょう。
選考を進めている企業を管理できていないことは論外なので、どの企業に応募していて、どの段階まで選考が進んでいるかは、必ず解るように管理しながら転職活動を進めるようにしていきましょう。
そうすれば、誤って重複応募してしまうようなミスは防げます。
また、1つの転職エージェントで選考に落ちた場合でも、同じ求人案件に再度応募することも重複応募と同じことです。
仮に、他のエージェントで書類選考に通ったところで、企業に解れば面接の前段階で、かなりのマイナス点になってしまいます。
ばれなければ問題は起こらないかもしれませんが、ばれれば転職エージェント側にも企業からクレームが入りますので、その後の転職支援に問題が生じてしまいます。
複数の内定をもらった場合はどうする?
基本的に複数の企業の選考を同時期に進めて行くことになりますので、複数の企業から内定をもらうことになるケースもあります。
転職エージェントを利用して内定が出れば、入社の意思を聞かれますので、辞退したい場合は辞退理由を伝え、丁重にお断りするようにしてください。
せっかくサポートしてもらって出た内定ですから、担当者に申し訳ない気持ちもあるでしょうが、義理で転職する訳にはいきませんので、「申しわけありませんが、○○(理由)なため、内定を辞退させていただきたいです」と伝えるようにしましょう。
転職エージェントの担当者は、内定辞退を企業に伝えるなどの対応がありますので、できる限り早く担当に伝えるようにしてください。
方法は、電話かメールで構いませんが、メールの場合は、確認しているか解りませんので、返信がないようなら電話もするようにしてください。
内定を断るとその後のサポートが心配という人もいますが、誠意を持って伝えさえすれば、内定を得られる求職者は需要がありますので、サポートは積極的に継続してくれます。
転職エージェントをやめる場合は断る
ここまで解説してきたように、複数の転職エージェントに登録するメリットは大きいです。
しかし、全てのエージェントを最後まで利用し続けるようなことをすれば、連絡や管理が煩雑になり大変です。
相性の良い担当がついたエージェントや、選考を進めていきたいと思える良い企業を紹介してくれたエージェントに絞り込み、それ以外は利用を断るようにして絞り込んでいきましょう。
よく、面倒だからといって、連絡を放置してフェードアウトしようとする人がいますが、サポートをしてくれている転職エージェントの担当者のためにも、社会人らしくきちんとお断りを入れましょう。
最悪、今後利用する際に連絡を無視し続けた情報が残るケースも想定できますし、メールを一通送れば済むことです。
下記のページでは、紹介案件や内定辞退の方法とともに、転職エージェント自体の断り方についてもメール例文付きで解説していますので、参考にしてください。

複数の転職エージェントに登録する際の選び方の軸
ここでは、複数の転職エージェントに登録する際、どのように選べば良いかを解説していきます。
総合型の転職エージェントに3~5社かけもちで登録
転職エージェントへの登録は、業界・職種に関わらず幅広い求人が集まる「総合型転職エージェント」の大手のうち、3~5社は利用するようにしましょう。
ただし、はじめて転職エージェントを使う人は気が重くなってしまっても仕方ありませんので、まずは1社でも登録して、キャリアカウンセリングを受けてみるようにしましょう。
ほとんどの人にとって、ファーストチョイスになるのは求人数が他社を圧倒する「リクルートエージェント」「doda」の2社です。この2社は必ず利用すべき転職エージェントなので、「すぐにでも転職したい」と考えているのであれば、まずはどちらかを選択すれば間違いありません。
各社で特長の違いがありますが、やはりキャリアコンサルタント次第という面が大きいです。最終的に3~5社の複数登録が基本になりますが、絞るにしても、dodaとリクルートエージェントの2社には登録しましょう。(ハイキャリアならJACリクルートメントも必須になります。)
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自分のタイプに合う特化型エージェントにも登録
総合型の転職エージェントと同時に、特化型で当てはまるものがあればもう1社登録しておきましょう。
総合型では得られない情報や業界ならではの選考ポイントなどに精通したキャリアコンサルタントが在籍していますのでアドバイスや面接の対策も万全にできるメリットがあります。
- IT・WEB系・・・ワークポート
- 外資系・管理職などハイクラス・ハイキャリア・・・
JACリクルートメント
- アパレル・ファッション・・・クリーデンス
- 看護士・・・ナースではたらこ
- 薬剤師・・・
マイナビ薬剤師
JACリクルートメントは特化型ではないですが、外資系や海外勤務、管理職などのハイクラス・ハイキャリアに強いので、対象の方には大きなメリットがあります。逆に、自分のキャリアに自信がない人にはおすすめできません。
また、IT・WEB業界はリクルートエージェントもかなりの定評があります。
特化型だけではだめな理由
「特化型の転職エージェントだけでも良くない?」と思う方もいるかもしれませんが、特化型ならではのメリットがあるものの求人数が少なめになってしまいます。(看護士や薬剤師の場合は別)アドバイスや書類対策、面接対策のサポートを受けながら、総合型にも登録しで足りない求人数を穴埋めする作戦がベストです。
複数の転職エージェントの上手な使い方
複数の転職エージェントに登録することのメリットはお解りいただけたかと思いますが、ここでは複数利用する場合の上手な利用方法について解説します。
- 同時に複数のエージェントに登録する
- 面談後に数社に絞る
- 応募~選考を進めながらさらに絞る
同時に複数のエージェントに登録する
登録のポイントは「同時に複数登録」です。
1社ずつ登録した場合、面談を行う→求人紹介を受けるという流れをするだけで、2週間くらいは時間が掛ってしまうことが多いです。
1社目がダメだったからと2社目を登録していると、それだけ時間のロスが出てしまいますし、万一連続で使えないと感じるようなことがあれば、もう転職エージェントを使う気すら起きなくなるでしょう。
そうなれば、転職エージェントのメリットを受けることができなくなってしまいますから、初めから複数のエージェントに登録してしまい、そこから絞り込むという方法がベストです。
また、場合によっては、面談・求人紹介を断られるケースもありますので、なおさら同時に複数登録したほうが良いということになります。
面談後に数社に絞る
複数の転職エージェントを同時に掛け持ちしていくことで、大変になるのは、面談後に選考が進んでいく段階です。
全ての転職エージェントで応募を行い、選考を進めていけば、当然それだけスケジュールの管理や調整が難しくなります。
面談の時点でキャリアアドバイザーと必要なコミュニケーションを図り、良い求人を紹介してもらえたり、親身になってサポートしてくれると感じた担当が付いたエージェントを残し、ダメなところは丁重にお断りしましょう。
応募~選考を進めながらさらに絞る
例えば、登録するタイミングによって紹介される求人数にも差が出るケースがりますし、「選考書類はA社のサポートが優秀だったが、求人の質はB社のほうが良かった。面接対策はC社が丁寧だった」など、満足度やサポートの質にも差が出るものです。
メリットの良いとこ取りをするには、それぞれの長所を見極めて、自分の転職にメリットがあるエージェントだけ残していくようにしましょう。
もちろん、希望する企業が複数のエージェントに分かれているなら、そのまま掛け持ちを続けましょう。
最終的に入社するのは1社になる訳ですが、内定が出たからと言って、その企業に行かなくてはいけない訳ではありませんから、複数のエージェントで内定をもらうこと自体は問題はありません。
まとめ
- 転職エージェントは初めから複数登録する
- キャリアアドバイザーや求人が良いと感じたところを継続利用する
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