残業60時間以上は残業代が割増になる
一ヶ月間に60時間以上の残業をした場合、残業代の割増率は1.5倍以上になります。
割増になるのは60時間を超えた分になりますが、残業代は通常の1.25倍ですので、例えば80時間の残業をした場合は下記のようになります。
60時間分(1.25倍以上)+20時間分(1.5倍以上)
ただし、中小企業の場合は、企業の負担を考慮し、平成34年4月1日までは猶予期間となっています。
そのため、現状では、残業60時間を超えたとしても、中小企業では残業代が通常の賃金の1.25倍以上にとどめられていることがほとんどです。
休日出勤は残業代が支払われる?
休日出勤の場合は、法定休日なのか法定外休日なのかによって、残業に含まれるかどうかが決まります。
一般的な土日休みの会社では、日曜日が法定休日、土曜日が法定外休日というケースが多く、その場合なら土曜日に出勤すれば残業時間としてカウントされます。
日曜日に出勤した分は、休日出勤手当として1.35倍以上の賃金が発生しますが、残業時間にはカウントされません。
残業60時間以上は厳しいと感じる人も多い
残業が60時間以上ということは、22~23(日/月)程度の出勤で、毎日3時間程度の残業が発生しているということになります。
定時が18時の場合で21時まで仕事をして、そこから帰宅となれば、通勤時間も考えれば平日にリフレッシュする時間は、ほとんど取れないのが実情でしょう。
残業が多い状態では、平日だけでなく休日にも影響が出てしまうことも多いです。
平日は息を止めて走っているようなものですから、休日になって「やっと息ができた!」というような感じで解放されるわけです。
疲れが溜まった心と体では、休日を楽しむ余裕もなく、ただただ気を抜いて体力を回復するくらいにしかならない事も少なくないでしょう。
気付いてみれば、日曜の夕方になってしまい、「また明日から仕事か・・・」と鬱っぽくなった経験は多くの人があると思います。
仕事が大好きで、楽しくて、家庭も持っていないのであれば、苦痛ではない人もいるかもしれませんが、嫌になって辞めたくなる人も少なくないでしょう。
家庭がある人は、休日だからといって寝続ける訳にもいかないですし、家族サービスもしなくてはならないなど事情があるでしょうから、なおさらです。
最悪、休日にも気が休まらないような状況というのも考えられますし、このままでは持たないと感じるのもおかしいことではありません。
心や体を壊してしまう前に転職を
60時間程度の残業でも、短期間であればそれほど問題無いでしょうが、継続的に毎月のように続けば、場合によっては体を壊したり、鬱など心の病気になってしまわないとも限りません。
厚生労働省では過労死ラインを、「100時間を超える、または、2~6か月間にわたりだいたい80時間を超える」と「業務と発症との関連性が高い」と定めています。
しかし、残業80時間超えるといきなり健康リスクが高まるわけではありません。
月に60~80時間残業をすると、脳や心疾患のリスクが2~3倍になるという研究もあります。
忙しくて睡眠不足になっている場合、影響が蓄積されていくので、健康被害が出ても何もおかしくない状況が続いているという認識をしたほうが賢明でしょう。
また、残業60時間以上など、長時間労働が続くケースでは、精神的負担が増加していることも多く、心のケアも大切になります。
しかし、睡眠や休養、家族や友人と過ごす時間など、心のケアに使える時間が不足しやすい状況では、それもままなりません。
精神障害や自殺などは、他人事に思うかもしれませんが、実際には、いつ自分の身に降りかかってきてもおかしくはないことと捉えたほうが良いでしょう。
とはいえ、自分の状態は自分で把握していく必要がありますし、大丈夫な人は大丈夫ということもあります。
誰かが助けてくれることばかりではありませんから、心身が疲弊している人は、「もうダメ・・・」となる前に、転職を考えるようにすることをおすすめします。
残業60時間以上は33.7%
企業の口コミサイト「vorlers」が行った残業時間に関するレポートによれば、月間の平均残業時間の割合は下記の表の通りです。
68000件の会社員のデータなので、それなりに信憑性が高いデータです。
このデータによれば、約33.7%の人が月間60時間以上の時間外労働を行っているということになります。
長時間残業は、年齢で言うと35歳以下の人が多いですが、年収が高ければ高いほど残業時間も長いというデータも存在します。
一般的にな考えとしては、若い人は体に無理が効くし、権力が弱いことで、帰りづらい雰囲気の同調圧力にも屈しやすいということが言えるでしょう。
また、30代働き盛りでもあり、現場のリーダーなど、どうしても残業が発生しやすい状況が生まれやすいということもあるかと思います。
残業60時間以上で会社を辞めたい?
上記のデータでは、約1/3の人が60時間以上の残業をしていることになります。
しかし、当然ながら全ての人が、それだけで会社を辞めたいと思うわけではないでしょう。
転職するかしないかという決断は、残業以外の年収や仕事の充実度、人間関係といった、様々な要素が複合的に絡むことが多いです。
もちろん、残業は60時間以上なのに、サービス残業だらけというような場合は、残業そのものが転職理由になってもおかしくはありませんが、基本的には総合的に考えて、そのまま勤め続けるのが良いのか、転職をしたほうが良いのか決断するようにしたいところです。
他職種、異業種への転職も視野に
残業の多さは、会社によって大きな違いがある部分もありますが、それ以上に職種や業界によって、残業が多い仕事、少ない仕事が決まってしまうような側面もあります。
例えば、コンサルタント広告代理店では、業界、職種ともに残業が多いですし、職種で言えばゼネコンの施工管理や業種を問わず営業職などは、残業が多いです。
残業の多い業界や職種で働いている場合、20代など年齢が若ければ、じっくり検討した上で、他職種や異業種への転職も視野に入れたほうが残業の少なくなる転職を実現しやすいでしょう。
しかし、経験やスキル重視になる30代以上の年代では未経験職種への転職は年収ダウンなどのリスクも伴います。
同じ業界や職種で転職を考える場合は、残業が少ない会社から内定を得るのに時間が掛かる場合もありますから、在職中に転職活動をしながら、様子をみていくようにしていきましょう。
残業が少ない会社に転職するには
それでは、残業が少ない会社に転職したいのであれば、どうするのが良いでしょうか。
会社の労働環境を詳細に把握する
残業が少ない会社に転職したい場合、募集要項に書かれていることだけを鵜呑みにせず、実際の労働環境を調べる必要があります。
残業例で20時間と記載されていたとしても、実際には上司への申告制で残業申告がしづらく、サービス残業をしているようなケースもあります。
実際の労働環境を調べるには、実際に働いている人に聞くのが一番ですが、聞き出すことは簡単ではありません。
また、定時付近の時間や21時など遅い時間に転職先候補の会社を訪れ、帰宅につく人や事務所の電気などで把握するという方法もなくはありません。
しかし、1社だけでなく何社も同様の事をするのは、相当な労力が掛ってしまうのも事実です。
転職エージェントを利用する
現実的な解決方法は、転職エージェントを上手に利用することです。
転職エージェントは、企業の詳細な情報を把握しています。企業自体との繋がりも深く、以前にエージェントを通して入社した社員もいることが多いことから、リアルな労働環境が解る場合も少なくありません。
転職エージェントは求職者の希望条件を無視した企業を積極的に紹介することはそうそうありません。
転職エージェントは転職者が入社後、半年も経たずに辞められてしまうと、企業からの報酬を返却するようになりますし、コンサルタントの評価にも関係しますから、できるだけ求職者の要望に応えようとしてくれます。
まずは、自分の市場価値で、残業少な目の企業をどれだけ紹介してもらえるのかを確認する事が大切です。
その上で、残業時間以外の年収や仕事内容などの諸条件も総合的に考えて、後悔のない転職先を見つけられるかが重要です。
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